IBMが「IBM Security Connect」を発表した。この新プラットフォームの狙いは、ベンダーと開発者、人工知能(AI)、およびデータを統合して、サイバーインシデントの対応と能力を向上させることだ。
IBMによると、米国時間10月15日に発表されたこのオープンなプラットフォームは、「オープンテクノロジを基盤に構築された初めてのセキュリティクラウドプラットフォーム」だという。「IBM Security ConnectはAIを中核に据えており、これまで接続されていなかったツールや環境のセキュリティデータを統合し分析する」(同社)
IBMの分析によると、企業のサイバーセキュリティチームは、平均で約40のベンダーの80種類以上のサイバーセキュリティソリューションを使用しているという。
これでは、混乱が生じて、全体的なセキュリティと防御の有効性が低下してしまうおそれがある。
IBM Security ConnectはクラウドテクノロジとAIの両方を使用する。このプラットフォームのユーザーは「Watson for Cyber Security」などの機械学習とAIを活用するサイバーセキュリティ製品に応用して、有効性を高められるようになる。
発表の段階で、既に10社以上のセキュリティベンダーやビジネスパートナーがIBM Security Connectとの連携に取り組んでいる。
AIや機械学習は完璧ではなく、サイバーセキュリティ防御の万全の解決策とみなすこともできない。しかし、これらのテクノロジを活用するソリューションやプラットフォームは、常に進化し高度化し続けるサイバー攻撃から自社を保護する追加的な手段を企業に提供することができる。
IBMはサイバーセキュリティ市場にそうした機会があることを認識しているようだ。IBM Security Connectのほか、同社の「Security Operations Center」(SOC)とWatson for Cyber Securityも、サイバーセキュリティ向けAIの市場に進出するIBMの戦略の重要な要素だ。SOCは米国やインド、日本、ポーランドなど、さまざまな国々に展開されている。
またIBMは、「IBM X-Force Command Cyber Tactical Operations Center(C-TOC)」を発表した。サイバーセキュリティのトレーニングや準備、対応などをオンサイトで行う、移動可能なセキュリティオペレーションセンターだ。
IBM C-TOCは、米国や欧州などの企業に赴き、インシデント対応や防御戦略、危機対応の指導力などのトレーニングを提供する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。