マイクロソフトは間もなく、サーバOS「Windows Server 2003」向けに、不具合の改善や新機能の追加などで構成する更新モジュール集「Service Pack 1」の提供を始める。
公開予定日が非公開の理由について同社サーバプラットフォームビジネス本部Windows Server製品部の高沢冬樹部長は「この日に公開したいという予定日を決めているが、それまでに不具合を発見して公開日が伸びる可能性もないとは言えないので、公開予定日は非公開」としている。
マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部Windows Server製品部の高沢冬樹部長 |
Service Pack 1は、Windows OSのユーザーに対する保守サービスの一環として、無償で提供するサービスである。不具合を修復したモジュールであるパッチの意味があるとともに、これまで提供していなかった新たな機能を追加してOSの付加価値を高めるという意味もある。
Service Pack 1の主な構成要素は以下の通り。まず、同社の自動更新機構であるWindows Updateを通じて提供してきた約100個のセキュリティ改善パッチのすべてを含む。これに加え、データ用のメモリー領域でアプリケーションを実行できなくしてワームの被害を防止するなど、セキュリティを高めるための各種の改善をOSに施した。
Windows Server 2003への不正アクセスを防止するセキュリティ機能「Windowsファイアウォール」も追加した。クライアントOSであるWindows XP Service Pack 2が備えている機能と同じものを、今回新たにWindows Server 2003にも追加したかたちだ。なお、サーバOSであるため、標準では同機能を使わない設定になっている。
Service Pack 1では、GUIを用いたウィザードを経由して、ウェブアクセスや遠隔ログインなど各種のネットワーク・アプリケーションを起動しないようにしたり、アプリケーションが使用するTCP/IPポートを塞いだりすることが簡単に設定できる。Service Pack 1の適用によって多くのユーザーはセキュリティを高めるために必要のないサービスを止めることになるため、副作用として結果的にOSの動作が軽くなり、業務アプリケーションの性能も高まる。