Hewlett-Packard(HP)の次期CEOに指名されたNCRのMark Hurdは、確かに適切な人選かもしれない。少なくともあるアナリストはそう考えている。
適切な人選だときっぱり断言するアナリストは今のところ少ないが、誰もが今頃、HPの将来を占おうと、同氏の職歴を綿密に調べているはずだ。
IDCのRoger Kayは、「同氏の職歴は(HPにとって)最適で、前の会社も業績が堅調だった。同氏は、NCRを危機的状況から救い出した」と語っている。
Hurdといえば、NCRを財政危機から立ち直らせた、ここ数年間の功績が最も有名だ。NCRは、POS端末やATM(現金自動預け払い機)のほか、データベース製品「Teradata」を開発する。
NCRは、データウェアハウス関連技術に対する支出を減らしたことの悪影響を受け、2001年のある四半期には利益予想額を40%も引き下げている。しかし、HurdがCEOに就任した2003年に、同社の純利益は5800万ドル(1株あたり61セント)から2億8500万ドル(1株あたり2ドル97セント)へと約5倍に増加した。
Hurdは、経営立て直しの一環としてNCRの支出を削減したことが評価された。
Hurdはまた、NCRでTeradataデータウェアハウス事業部を立ち上げたことも評価されている。2004年の同社売上高59億ドルのうち、12億ドルは同事業部によって計上されたものだ。同社全体の売上高は、昨年1年間で7%拡大している。
Kayは、Hurdが指揮をとるようになるまでのNCRについて、AT&Tの監督の下にあったため必要以上に業績が低迷したと述べ、NCRを復活させたHurdを評価している。NCRは、1997年にAT&Tから独立している。
「1980〜1981年頃(のNCR)はかなり期待できる位置につけていると思っていたが、結局、AT&Tが同社の経営に失敗してしまった。Mark Hurdらが10年近い歳月をかけて、同社の立て直しを図ってきた」(Kay)
Hurdは現在48歳。NCRに23年間在籍し、マーケティング/専門サービス/販売管理畑を歩みながら徐々に出世の階段を上ってきた。社長やCOOを歴任し、2003年3月にはCEOに指名されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。