HP新CEO、プリンタ部門分社化の可能性を否定せず

Dawn Kawamoto(CNET News.com)

2005-03-31 19:40

 Hewlett-Packard(HP)の新CEO、Mark Hurdは、米国時間30日に初めて開いた金融アナリストおよびメディア関係者との会見のなかで、同社の稼ぎ頭となっているプリンター事業の分社化について尋ねられると、その可能性を完全には否定しなかった。

 HP会長のPatricia Dunnと共にこの会見に出席したHurdは、CEOを引き受けるにあたって、同社の製品ポートフォリオを現状のまま維持するよう求める条件は出されなかったと述べた。

 「CEOを引き受けるにあたり、特に条件を付けられたわけではない」(Hurd)。同氏は4月1日付けでHPのCEOに正式に就任する。

 だが、HurdはすでにCEOとして仕事を始める準備を進めている。自社の戦略をもっとうまく実行に移せるCEOを求めているHPで、同氏は自らの執行能力を試されることになる。Hurdは、CEOに指名されるまでの数週間で、HPが米証券取引所委員会(SEC)に提出した財務報告書やアナリストのレポートなどの公開情報に目を通したと述べた。

 「HPのファンダメンタルは強いと思う。だが、明らかに潜在能力を発揮し切れていない」(Hurd)

 Dunnによると、HPは同社のさまざまな事業が持つ潜在力を最大限まで引き出せるCEOを探していたという。そして、Hurdはこれから自分なりの戦略を考えていくことになるとDunnは語った。

 HPがCarly Fiorinaを辞任に追い込んだ際、同社の取締役会はこの決定について、戦略に関する食い違いの結果ではなく、むしろ目標を達成するまでのスピードに関して両者の間に認識のズレがあったことが原因だと述べていた。

 Hurdは通常、一連の評価指標を使って、さまざまな事業部門のパフォーマンスを評価しており、ある事業を分離するか否かについてもこの指標に照らして判断している。ただし、この評価にはある程度時間がかかるという。

 「昨夜9時にこちらへ到着し、今朝5時に起きたばかりなので、事業の分割について十分に考えたわけではない」とHurdは述べ、自分が集中して取り組む事柄として「この会社にとって業績を上げる機会は何なのか」という点を挙げた。

 同氏によると、NCRはさまざまな事業を抱える点でHPと似ているが、ただしNCRで用いた手法をそのままHPに応用して、同じ結果が得られると期待するのは誤りだという。

 HurdはNCRのCEO在職時に、投資家からデータウェアハウス部門の分離を求められたことがあったが、これは一部の投資家からプリンタ部門の切り離しを求められているHPと似ていると述べた。

 「そのような要求は、株主が企業価値を感じていることの表れだと私は理解している」とHurdは述べ、まずは各事業部の業績を改善することで、株主価値を生み出すことを検討したいと述べた。

 Hurdは、今後数週間から数ヶ月をかけて、従業員や顧客、ビジネスパートナー、投資家の意見に耳を傾け、これを同社のニーズに関する評価やアクションプランの策定に役立てることになる。

 この間には「何か特別なことをするつもりはない」とHurdは述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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