トレンドマイクロ、テスト工程の不備が命取りに

永井美智子(編集部)

2005-04-24 18:56

 トレンドマイクロは4月24日、同社のウイルス対策ソフトウェアのパターンファイルに不具合があった問題で、同日までに判明した原因について発表した。

 この問題は、同社が23日午前7時33分から9時2分の間に公開したパターンファイル「2.594.00」をダウンロードしたPCもしくはサーバのCPU使用率が100%となり、処理が著しく遅くなって実質的に利用不能となるもの(関連記事)。同社ではこの問題を修正するため、安全性が確認されている前バージョンの「2.592.00」を名称変更した「2.596.00」を23日の午前10時51分に、新たなウイルスなどに対応した新バージョンの「2.598.00」を24日午前8時35分にリリースしている。

 同社によると、パターンファイル2.594.00から新たに追加されたファイル判定機能に問題があったという。具体的にはUltra Protectと呼ばれる圧縮形式のファイルを解凍、検索するプログラムに問題があった。Windows XPなどではOSの一部にUltra Protect形式のファイルが組み込まれており、2.594.00ではこのファイルをいつまでも検索し続けてしまう無限ループに陥るという。

 しかし一番の問題は、テスト工程に不備があったことだ。通常、パターンファイルを公開する前には製品とOSの組み合わせを確認するため複数のOS上で動作確認を行う。しかし今回はWindows XP Service Pack 2環境におけるテストが人為的ミスにより行われなかった。

 また、同社のウイルス対策ソフトには現在7.5.0または7.5.1と呼ばれる検索エンジンが搭載されているが、テストでは7.5.0以前の検索エンジンを利用した。このため、Ultra Protectの圧縮、解凍に関する部分のテストが行われなかった。

 いずれのテストもダブルチェックの体制が整っていなかったため、確認が行われないままパターンファイルがリリースされてしまったという。今後の対策として、同社では「パターンファイルの作成、テスト工程におけるダブルチェック体制の徹底、チェックプロセスの自動化、テスト工程とテストファイルの見直しおよび追加、業務にて稼働しているさまざまなOSに対する製品を用いたテストの強化を行っていく」としている。

 今回の問題に関して、これまでに法人ユーザーから約1万件、個人ユーザーから約6万件の問い合わせが同社のサポートに寄せられた。また、同社と専属サポート契約を結んでいる企業のうち、これまでに61社で不具合が起きていることを確認している。

 24日には問題のあるパターンファイル2.594.00を自動削除する対策ツールをサイト上で配布し始めた(関連記事)。ただしこのツールが行うのはパターンファイルの削除のみで、ユーザーは自分の手でコンピュータを再起動し、手動アップデートを行う必要がある。今後はネットワークに接続できないユーザーのために、販売パートナー企業を通じて同ツールをCD-ROMで配布する予定だ。

 同社では24時間のフリーダイアルを開設しており、5月8日までは24時間体制で対応する。電話番号は0120-538-108。また、FAXでの情報提供(FAX番号は03-5972-5746)や、 携帯電話から見られるウェブサイト「教えて!ウイルスバスター」(http://tmqa.jp)においても対策方法を紹介している。

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