ある知人にこんなことを聞かれた。「ある地点まで自動車でいく場合の所要時間や、走行ルートを表示してくれるインターネット上の地図サービスを知らないか?」私はこの質問に対し、そのようなサービスは知らないが、1〜2時間もあれば誰かがGoogle Mapsとうまく連携するプログラムを書いてくれるのではないか、と答えた。ちょうどその直前に、私はJon Udellからこれと似たプログラムの話を聞いたばかりだったのだ。運転時間こそ表示しないが、私はそのプログラムの話を聞いてすっかり感心してしまった。
ノースカロライナ大学のPaul Rademacherが作成したプログラムは、Google MapsとCraig’s Listの不動産情報を組み合わせたものだ。Paulはどちらの組織にも所属していないし、これらの組織の関係者を知っているわけでもない。同氏が作成したプログラムの動きをきちんと理解するには、まず、それを実際に使ってみるしかない。同プログラムは基本的に、都市と希望の価格帯を選択すれば、条件に該当する家の地図とその詳細情報が表示されるというものだ。地図上の画びょうマークをクリックすると、吹き出しが現れ、その中に家の写真や売り出し状況などが表示される。これは、かなり便利そうだ。
つい先日、Wired誌を読んでいたら、こちらが手数料を支払う顧客であるにも関わらず、不動産業者はなぜ顧客の意に沿わない動きをしてしまうのかを論じた記事を見つけた。同誌によれば、情報の非対称性が、その理由の1つだという。その点、Paulのプログラムはこうしたギャップを埋めてくれる。
Google Mapsを作り変えることは、そんなに難しいことではない。ここに書いたのは、インターネット上に存在する2つのアプリケーションをゆるやかに連携させることで、驚くほどのパワーが得られることを示すケースのほんの一例である。