ネットワーク機器を開発するインフィニコは8月、UNIXの標準ログ出力・収集機能であるSyslogサーバのアプライアンス機「NetWyvernSYSLOG」を出荷する。幅210×奥行147ミリ・メートルの小型サイズで冷却ファンとディスクを搭載しない。価格は未定だが編集部が予想する実売価格は25万円前後。
NetWyvernSYSLOGは、独自設計のハードウェアに組み込み系のLinuxを搭載し、ストレージとして容量512Mバイトのコンパクト・フラッシュ(CF)を内蔵した機種である。Syslogサーバ・ソフトを動作させ、ネットワークを経由して得られた各種のログ情報を処理し、必要に応じてコンパクト・フラッシュにファイルとして格納する。
運用時に必要な設定は、Webインタフェースを用いて実施できる。Syslogに関係する生の設定ファイルをエディタで編集することなく、個々のログの処理方法やログファイルのローテーション方法などSyslogに関する設定を施せる。管理対象となるサーバ機のうち、ログを取りたくないサーバに関してIPアドレスによるフィルタリングの設定も可能である。
SyslogとはUNIX標準のログ出力フォーマットであり、mailやsecurityなどログの種類を示すファシリティと、infoやnoticeなどログの重要度を示すプライオリティの2種類の情報を組み合わせた属性を持つ。どのような属性でどのようなログを出力するのかは、ログを出力する個々のアプリケーション・プログラムに依存している。例えば、C言語であればsyslog()関数が出力する。
Syslogサーバは、管理対象となる個々のアプリケーション・プログラムが出力したSyslogメッセージを受信して、設定したポリシーに応じて処理する。メッセージの属性に応じて、例えばファシリティmailのプライオリティinfoであればファイルmaillogにログ出力し、ファシリティsecurityに属するログであればどのような重要度であっても管理者にメールする、といった使い分けができる。
また、NetWyvernSYSLOGと同じく8月に、ユーザー認証機能であるRADIUSサーバのアプライアンス「NetWyvernRADIUS」も出荷する。NetWyvernSYSLOGと同等のハードウェアを用い、編集部による予想価格は実売で50万円前後である。