Microsoftは米国時間19日、Exchange 2003の新たなサービスパックの限定プレビュー版をリリースする予定だ。同製品には、電子メールを携帯デバイスへ送信する最新のツールが含まれている。
MicrosoftのシニアテクノロジースペシャリストHarold Wongは、同社が「Exchange Server 2003 Service Pack 2」の開発者用プレビュー(Community Technology Preview:CTP)を公開する意向だと、ブログに記した。Wongの投稿によれば、同リリースは研究所やテスト環境でのみ使用可能だという。通常のCTPと同様、同プレビュー版はMicrosoftのサポートを得られないが、Exchangeを本格的に利用しているユーザーは、これを試用することで製品の見た目や使用感をチェックすることができる。
今回のアップグレードで最も注目に値するのは、電子メールメッセージを携帯デバイスへ転送する機能が追加されたことだと考えられる。この機能は、デバイスメーカーResearch In Motionが、同社の「BlackBerry」端末向けに提供しているメッセージングソフトウェアなどと競合するものになる。Microsoftはこの取り組みを「Direct Push Technology」と呼んでおり、同機能の提供は「モバイル機能を充実させるための大きな飛躍」だとしている。
同モバイルソフトウェアのアップデートで、このほか特に改良が施された点としては、新たなデータ圧縮ツールや、「Outlook」電子メールソフトウェアとの同期性の向上、より先進的なセキュリティ管理機能などが挙げられる。また同プレビュー版では、証明書認証システムがサポートされており、携帯デバイスの送受信メッセージに署名し暗号化するS/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions)用ツールも提供される。
今回のアップグレードの目的は、携帯デバイスがExchangeサーバから新しい電子メールを自動取得していることをSMS(Short Message Service)で確認しなくても済むようにし、メッセージの配信を合理化することだと、Wongはブログの中で述べている。アップデートが施された同ソフトウェアでは、デバイスが確立するHTTP接続を用いて、メッセージや通知を送信することが可能になる。Wongはまた、この技術はWi-Fiネットワーク経由でも機能するとしている。
こうした電子メール機能を利用するには、Microsoftの「Windows Mobile 5.0 Messaging」および「Security Feature Pack」をデバイス上で稼働させる必要がある。Microsoftによると、これらの製品はExchangeのサービスパックとほぼ同時期に提供が開始されるという。
Microsoftは今回のリリースで、フィッシング攻撃を防ぐ新機能を搭載した新しい「Exchange Intelligent Message Filter」などの強力なスパム対策ツールや、「Sender ID」電子メール認証プロトコルの拡張サポートを提供することも明らかにしている。
Exchange 2003ではさらに、メールボックスの容量が75Gバイトまで拡大される。また、新たにオフラインアドレス帳が利用できたり、キャッシュ管理がより柔軟に行えたり、新たな共有フォルダ管理機能が利用できたりするようになるという。また、Novellの「GroupWise 6x」ファックスサーバソフトウェアにも対応する。なおMicrosoftは、同アップデートにバンドルするポルトガル語のスペルチェック機能も、すでに開発済みだと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ