インターネットイニシアティブ(IIJ)は9月9日、RFID(無線認識)をインターネット上で利用する「IIJ EPC Networkサービス」を2005年10月から提供することを発表した。RFIDの国際標準規格EPCglobal Networkに準拠する。
IIJ EPC Networkサービスは、商品の属性情報や履歴情報、RFIDタグに割り振られた固有の番号体系である「EPC」などのRFIDタグに紐付いた情報を、インターネット上で汎用的に登録・参照・変更できるシステムだ。このサービスを使えば、製品や部品が製造されてから消費者に売られるまでをインターネット経由で把握できる。
IIJは今回のサービスで「EPCISサーバ」と「EPCネームサーバ」の運用・管理を行う。EPCISサーバとは、EPC情報の登録・参照・変更を行うためのデータベースとなる「EPC Information Service」(EPCIS)サーバであり、製品の出庫・入庫・販売情報を追跡できる。EPCネームサーバは、EPCとEPCISを関連付けた「Object Name Service」(ONS)サーバであり、EPCISとRFIDタグを一致させることができ、EPCISサーバを補完する役割を果たす。
IIJ EPC Networkサービスは、「プレミアム」「スタンダード」「トライアル」の3種類で構成される。プレミアムは、IIJが企業の要望に合わせて個別に対応する。スタンダードはIIJのデータセンター内に構築されたサーバで対応し、トライアルでは企業が試験的にRFIDのシステムを導入する際にIIJが対応する。プレミアムは2005年10月から提供が開始され、スタンダードとトライアルは2006年1月から提供される。今回のサービスは2005年8月に発表した日本ヒューレット・パッカードなどとのRFID共同検証施設「HP RFID Noisyラボ・ジャパン」でも利用できる(関連記事)。
IIJでは、サーバの運用・管理サービスとは別に、システム開発者向けにEPCglobal Networkに準拠した基本ライブラリ「IIJ EPC Networkソフトウェア」を提供する予定としている。IIJ EPC Networkソフトウェアを使えば、RFIDシステム構築を検討する製造業・流通業、これらの業界向けにシステム構築を担当するSIサービス事業者は、EPCglobal Networkに準拠したシステムをコンポーネントとして利用できる。
IIJは今回のサービスについて当面は直販で営業するとしている。価格はプレミアム、スタンダード、トライアルともに個別問い合わせとしている。