ビジネスオブジェクツ会長「汚名返上の気分」 - (page 2)

Charles Cooper (CNET News.com)

2005-09-15 22:36

--市場を独占することはできなくても、御社のような専業ベンダーにとって、Microsoftの存在は大きなプレッシャーになるのではありませんか。

 Microsoftの存在が、(中小企業)市場に多少の影響を与える可能性はあります。しかし、この市場は急速に拡大していますし、当社のエンタープライズ事業もきわめて順調です・・・また、私はMicrosoftの存在をチャンスと捉えています。現在、Microsoft製品には当社の製品もバンドルされています。Microsoftがビジネスインテリジェンスに積極的に取り組むほど、当社の製品も広がっていくのです。

--9月にはSRCの買収が完了します。1年後にはどんな成果が期待できると思いますか。

 これは戦略的な問題です。SRCの買収によって、当社は新しい領域に進出することができるようになりました。具体的には、財務計画、予算管理、そして企業業績管理全般です。また、SRCの製品を得たことで、当社の製品ポートフォリオはさらに充実し、企業のあらゆるニーズに応えられるようになりました。

--営業部門を大幅に拡大する予定はありますか。

 当社はすでに約560人の営業担当者を擁していますから、大幅に増やす必要はないと思っています。

--2年前にCrystalを買収したときは、「身のほどをわきまえていない」という批判もありました。取得額は12億ドルくらいだったでしょうか。

 確かに、そうした批判はありました。Crystalの買収に関しては、多くの人が懐疑的な見方をしていました。それも無理はないでしょう。企業買収が失敗した例は、掃いて捨てるほどあるのですから。しかし、われわれはきわめて補完的な関係にある、この2つの優良企業の統合に挑み、すばらしい成果を上げました。

 Crystalの買収には心から満足しています。2年前に18ドルだった株価は32ドルになりました。当時の通期連結売上は約7億2000万ドルでしたが、昨年は9億2500万ドル、今年はそれをさらに上回る勢いです。この分野での地位も、2年前のNo. 2から、現在は紛う方ないNo. 1となりました。

--汚名返上、というところでしょうか。

 まさに、そういう気分です。

--合併を進める上で、最も難しいことは何でしょうか。統合に伴う問題を回避するために、どのような措置を講じていますか。

 最も難しいのは、共通の文化を作ることです。われわれはCrystalが積み上げてきたものをまるごと受け入れました。Crystalは当社の3分の2の大きさの企業で、われわれはCrystalの強みと文化を何としても取り入れたいと考えていました。その次に難しいのは、顧客が新たなプラットフォームに移行することができるように、適切な措置を講じることです。1社も取りこぼしてはいけません。3つめは、両社の製品の特長を兼ね備えた製品ポートフォリオを構築することでした。当社はこの目標もクリアしました。

--最も難しかった選択を教えてください。

 技術に関する選択とインフラです。たとえば、当社は長年取り組んできた事業の一部を手放さなければなりませんでした。Crystalには、これをしのぐようなものがあったからです。しかし、これは正しい選択でした。現在、当社のプラットフォームは非常に拡張性の高いものとなっています。

--株価は上がり、6カ月前と比べると、評価額も上昇しています。6カ月後、市場は買い手市場になっていると思いますか、それとも売り手市場になっていると思いますか。

 当社に関する限り、未来は明るいと確信しています。ビジネスインテリジェンスそのものが重要なカテゴリであることはもちろんですが、買収も強力な武器になると思います。われわれは今後も、製品ポートフォリオを補完する機会を模索していくつもりです。

--大幅な予算増は見込めないと考えているIT責任者に、どうやってビジネスインテリジェンスツールを購入するよう説得するのですか。

 IT予算が増える、増えないという問題ではありません。重要なのは、より高いリターンを期待できる分野に予算を配分することです。企業は今後、ビジネスインテリジェンスに対する投資を大幅に拡大するでしょう。なぜなら、ビジネスインテリジェンスは短時間のうちに大きなリターンをもたらすものだからです。IDCの調査では、リターンの中間値は1年未満で400%です。これだけのリターンを期待できるなら、ITマネジャーも検討してみようと思うのではないでしょうか。

--LinuxWorldで、御社はXIサーバソフトウェアを拡張し、Red Hat Enterprise LinuxとNovell Suse Linux Enterprise Serverの両プラットフォームをサポートすることを発表しました。ほかにも数社が、Linuxプラットフォームをサポートする意思を表明しています。これは偶然の一致なのでしょうか。それとも、大企業が急速にLinuxを受け入れつつあることの証なのでしょうか。

 大企業がLinuxに移行しつつあることは間違いありません。この傾向は数年前から徐々に強まっていますが、大企業はITを基本的なプラットフォームとみなすようになっており、その中に(ビジネスインテリジェンスを)組み込みたいと考えています。企業は所有コストにも敏感になっています。こうしたことから、当社でもLinuxの重要性が次第に高まっているのです。

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