サンフランシスコ発--Intelは同社初のデュアルコアプロセッサを発売した。同社はこの「Xeon」で、ライバルのAMDに明け渡したシェアをいくらか挽回をしたい考えだ。同社は、今後数カ月以内にさらに強力なモデルを投入する予定もある。
デュアルコアプロセッサは、一枚のシリコン片上に2つの計算処理用エンジンを搭載していることから、一台のサーバを使ってより多くの計算処理をすることが可能になる。IBMやSun Microsystems、Hewlett-Packard(HP)では、数年前からハイエンドサーバ向けのチップにこのアプローチを採用しており、現在ではIntelのXeonやAMDのOpteronといった主流のx86プロセッサでもこのアプローチが採られるようになっている。
Intelは、4月にデュアルコアOpteronをリリースしたAMDに追いつくために、異例のやり方をした。「Paxville」チップは、4基以上のプロセッサを搭載するハイエンドサーバ向けに設計されたデュアルコアモデルだが、同チップの製造がきわめて順調に進んだことから、Intelでは今回、デュアルプロセッサ搭載サーバ向けのバージョンをリリースした。Intelがいかに急いでいるかは、同社が初のデュアルコアXeonとして想定していた「Dempsey」(開発コード名)を、2006年第1四半期にリリースする計画であることからも明らかだ。
さらに、マルチプロセッサ搭載サーバ向けである、Paxvilleのハイエンドバージョン「Xeon 7000」が60日以内に発売される計画もある。このチップは最高3GHzで動作すると、同社サーバプラットフォームグループのゼネラルマネージャKirk Skaugenは言う。このチップは以前の予想よりも数カ月前倒しで発売されることになる。
予想通り、HPとIBMは10日にデュアルコアXeon搭載サーバを発表し、9月にデュアルコアXeon搭載モデルを発表していたDellに続いた。一方、AMDのデュアルコアOpteronを搭載したサーバはすでにSunとHPから発売されている。
デュアルプロセッササーバ用のデュアルコアXeonは2.8GHzで動作し、1000個出荷時の価格は1043ドルと、同社のシングルコアXeon(3.6GHz版)の690ドルに比べてかなり高めに設定されている。