あえてアドオンを多用、社内要員だけでERPを運用する(前編)

瀬尾英一郎(月刊ソリューションIT編集部) 2005年10月18日 22時07分

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R/3、Business One導入/NECトーキン上海

 NECトーキンは、10年前にSAP R/3を「自力で」導入した。その頃のバージョンは3.0、まだERPに詳しいコンサルタントやR/3に精通した技術者すら、ほとんどいなかった時代だ。そんな中、現状分析から要件定義、上流/下流設計、開発、テストまですべて独力で実施。巨大ERPを見事に稼働させた。その後の運用・保守や、グループ内への横展開に際しても同社の取り組み方に変化はなかった。今でも自社要員だけでメンテナンスや導入プロジェクトを進めている。

 外部の力を使わないのは、社内にスキルを蓄積させるためだ。そしてそれは、メンテナンスの工数やコストを削減できることにつながるという。

 一般的にはアウトソーシングの方が、コスト的にメリットがあると言われている。だが同社は長い目で見ると、自社内ですべてを完結させる方がメリットがあるのではないかと考えたのだ。システムが、5年あるいは10年間、何も変わらなければ、確かに外部委託する方がいいだろう。

 だがそんなはずはない。立ち上がった瞬間から、エンドユーザーの要望に合わせ、またビジネスの変化に対応すべく進化していく。そうした変化を、社内の人間がキャッチアップし、修正の内容や経緯を理解していなければ、次の変化に迅速かつ確実に対応できない。そして対応が遅れれば、ビジネスチャンスの損失を招く。

 昔のように、委託先の担当者が変わらず、半分社内要員のようだった時代ならともかく、担当者がコロコロ変わる現代では、いちいち社内業務を説明し、システムの仕様を教えるのに時間がかかって仕方がない。システムが「体に染み付いた」社内要員なら、何も言わずとも、修正箇所や修正内容を理解してくれる。

メンテナンス性と業務効率から
画面はすべてオリジナル仕様

 当然、パッケージを導入した拠点が増えれば、開発や保守の担当者も増員させる必要がある。10年前は十数人だったシステム部員は、現在では約60人まで膨れ上がった。情報システム部の宮口家治部長は、「担当者を取りまとめるには、これくらいが限度かもしれません」と見る。

 そうは言っても、開発保守の負担は今後も増大の一歩をたどることは間違いない。そこでNECトーキンではいくつかの施策をとっている。

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