カリフォルニア州バーリンゲーム発--インターネットブラウザの第一人者Marc Andreessenは米国時間19日、当地で開催された「Zend/PHP Conference」で、スクリプト言語PHPは単純明快であることから、ウェブベースアプリケーションの開発においてJava以上の人気を獲得するだろうと発言した。
Sun Microsystemsが1995年にJavaを発表したときは、大いに評判になったものだった。これは主に、Javaが機器ではなくプログラマとの相性が良いように最適化されていて、ソフトウェア開発が著しく容易になったからだと、Andreessenは話す。だが同時にJavaは、それに先行する言語の欠点を引き継いでしまっていたという。
Andreessenは、「プログラマにとって、JavaはCおよびC++より使いやすい言語だ。いや、複雑化されるまでの数年間は使いやすかったというべきか。今やJavaは、C++より習得の難しい言語になってしまった」と述べている。だが、単純明快性は復活しつつある。「PHPを開発に利用するのは、Javaよりはるかに容易だ」(Andreessen)
もっとも、何百万というJavaプログラマや、Javaの先行きを左右する「Java Community Process」に参加している何百という企業の間に数多く存在するJavaの支持者らは、こうした考えを受け入れないだろう。
IBMは、サーバでJavaをうまく運用したり、「WebSphere」サーバソフトウェアの中核にJavaを組み込んだりしているが、それでも同社の一部の有力幹部は、PHPにJavaをしのぐ長所があることを認めている。
IBMのEmerging Internet Technologies GroupバイスプレジデントRod Smithは、カンファレンスで開いた記者会見において、「単純性こそがPHPの最大の長所だ」と、IBMにとってのPHPの魅力について語った。Smithはまた、「PHPは、他の言語と競合するために余計な機能を盛り込むようなことはしなかった」と述べ、その代わり「残念ながらJavaでは成し得なかった、単純性の追求に努めた」と説明した。
PHPはオープンソースプロジェクトで、PHPスクリプトと呼ばれるプログラムやあらかじめ用意されたスクリプトの膨大なライブラリの利用を簡単なものにするためのエンジンなどを含む。その開発に主に当たったのは、PHPパッケージ製品やプログラミングツール、サポートなどを販売しているZendである。
自らの製品をなくてはならない存在にしようとだれもが躍起になっているコンピュータ業界では、プログラマの関心を惹きつけようと試みるのは珍しいことではない。実際に、Microsoftがこれほど成功したのは、Windows上で稼働するソフトウェアを簡単に開発できるプログラミングツールの存在があったからだとする人は多い。
PHPも、多くのユーザーを抱えるようになった。およそ2200万ものウェブサイトでPHPが利用されており、この数字はこれからも増える勢いだ。また、PHPに変更を加えることを許されているプログラマは約450名いる。PHPを採用している主要な企業には、YahooやLufthansa、Deutsche TelekomのT-Onlineなどがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ