ある小さなソフトウェア開発企業が、XMLを利用する企業から使用料を徴収する計画を進めており、またもや特許申請を巡って技術産業界が紛糾している。
ノースカロライナ州シャーロットに拠点を置くScientigoは、「ニュートラルな形式のデータ」の転送技術に関する特許2件(No. 5,842,213およびNo. 6,393,426)を保有している。このうち1件は1997年に申請済みで、Scientigo幹部の主張では、データフォーマット標準のXMLが両特許を侵害しているという。
ScientigoのCEOであるDoyal Bryantは先週、同社がこうした知的財産の利用に「課金」していく方針を明らかにした。
同社はロイヤリティの支払いを自ら管理するのではなく、サードパーティとの契約を取り扱う知的財産ライセシング企業にこの業務を委託する意向だ。知的財産ライセシング企業とは現在、暫定的な契約を結んでいると、Bryantは説明している。これについての最終的な契約内容は、今週にも発表される予定だ。
「わたしたちはなにも世界を敵に回そうと考えているのではない。単に資産の有効的な活用法を模索しているだけだ。これを資産と呼ぶことが適切であることには、強い確証を持っている」(Bryant)
産業界は特許の役割をめぐり意見が真っ二つに分かれているが、Scientigoの今回の動きは、こうした事態にあらためて拍車をかけるものと言える。
支持者らは、特許制度はその意図のとおり、知的財産を保護するのに役立っていると述べる。一方、ソフトウェア特許廃止派を含む同制度の反対者は、しばしば悪意を込めて「特許という名の乱獲」と言い表し、疑いを知らないソフトウェアユーザーに企業が法的措置を起こす行為を助長しているとして、特許制度の現状を批判している。
Bryantは、Scientigoがここ数カ月間にわたり、MicrosoftやOracleなどの大手ソフトウェアプロバイダーを含む47社の企業と、同特許に関して話し合いを進めてきたと述べている。