NECエンジニアリング(野口俊武社長)は、自動車や鉄道など高速な移動体 の中からでも途切れることなく無線IP通信が可能な車載型モバイルルータ「IPBird-5100」を発売した。06年1月に出荷を開始する。価格は148万円。
「IPBird-5100」は、NECが開発した車載型モバイルルータ「Litebird」の技 術を応用した製品。「高速IPハンドオーバー通信」と呼ぶ、IPで無線による通 話や通信が途切れないように移動に応じて接続先を順次切り替える独自技術を 搭載した。そのため、自動車や鉄道車両などの高速移動体においても、画像や 音声データなどの無線IP通信がリアルタイムで途切れることなく行える。
本体には、2枚の無線LANカードを装備。それぞれが別の無線基地局との通信 を同時に行うことで、1つが移動で途切れても、もう1つが10ミリ秒という短い 時間で別の基地局に切り替えて良好な通信状態を保つことができる。なお、無 線LANカードとアンテナは別売りとなる。
自動車のテストコースにおける無線LAN通信の実証実験では、時速330kmでも 途切れることなく無線IP通信ができることを確認した。道路監視や移動体間通 信、移動体からの情報配信、第3世代携帯電話のデータ通信カードとの連携し た無線LANと3Gネットワークとのローミングなどでの利用を見込む。
同社では、東京ビッグサイトにおいて12月7日−9日に開催される「iEXPO 2005」において、同製品の動態展示を行う予定。