マサチューセッツ州知事事務局は、MicrosoftによるOfficeドキュメントフォーマット標準化の取り組みが、同州の調達ガイドラインを満たす可能性が高いと述べた。
マサチューセッツ州知事Mitt Romneyは米国時間23日、Microsoftの「Office Open XML」ドキュメントフォーマットが、同州の規定した「オープンフォーマット」基準を満たすだろうと「楽観視している」とする声明を発表した。
マサチューセッツ州は9月、同州内のシステムを非プロプライエタリなフォーマットに移行させる一連の技術基準を公開して、注目を集めていた。
この移行プロセスで、MicrosoftのOffice製品は「オープンフォーマット」ではなくプロプライエタリ製品だと定義されている。
さらにマサチューセッツ州は、行政機関で利用するデスクトップ向け生産性アプリケーションを、Microsoftがサポートしていない「OpenDocument(ODF)」に限定していくことを決定した。同州は一方で、AdobeのPDFフォーマットは「オープン」であると考えている。
米国時間21日、MicrosoftはOfficeドキュメントフォーマットを標準化する計画を発表し、これをOffice Open XMLと呼んで、OpenDocument標準とは別の道を行くことを明らかにした。
Microsoftは、「Office 12」のXMLベースドキュメントフォーマットを標準化団体Ecma InternationalおよびISO(International Organization for Standardization)に提出する意向だ。委員会がこの標準化に関わるプロセスをOffice 12のリリースが予定されている1年後までに完了させることを、Microsoftは期待している。
Microsoftの発表の2日後、Romney知事政権は同社の取り組みに対する声明を出した。
「マサチューセッツ州は、Microsoftがオープンドキュメントフォーマットの開発へ歩を進めたことを、非常に歓迎している。Microsoftが計画に忠実に従えば、Office Open XMLは、マサチューセッツ州が新たに規定したオープンフォーマットの認定基準を満たすだろうと考えている」と、声明には記されている。
声明は、同州政府および財務書記官Tom Trimarcoの名で発表された。州行政機関向けの標準を規定しているのは、同州の財務部門である。
MicrosoftのOffice Open XMLフォーマットが受け入れられれば、同社はマサチューセッツ州のIT調達において競争力を得ることになり、競合社が投資しているOpenDocumentの拡大する勢いをそぐことも可能になる。
OpenDocumentは比較的新しい標準仕様で、これを採用している自治体や企業はまだ少ない。
Microsoftと一部の産業ロビー団体は、マサチューセッツ州がOpenDocumentを一意的に採用すると決定したことを、同州の選択肢が狭まるとして非難してきた。この決定の是非については、州内でも議論が分かれていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ