「RFIDはブレークする」--日本HPが検証施設を公開

田中好伸(編集部) 2005年12月06日 22時09分

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 日本ヒューレット・パッカード(HP)は12月6日、RFID(無線認識)の検証施設「HP RFID Noisyラボ・ジャパン」のサービス提供を開始。施設の内部を公開した。

 Noisyラボ・ジャパンは、RFIDを検討する企業に対して、導入に踏み切る前に、どのようなRFIDシステムを使えばいいのか、どのように活用すべきかなどを、実証実験などの形で検証する。サービスは有償で提供される。米HPは米国ネブラスカ州に同様の施設を開設している。

 同施設では、企業が実際に運用する荷物を持ち込み、物流現場を再現した環境でRFIDのテストができるほか、13.56メガヘルツ、2.45ギガヘルツのほかにUHF帯の952〜954メガヘルツを加えた周波数帯でのタグと読み書き装置(R/W)の比較検討を行える。また、タグから読み取ったデータと情報システムとの連携を確認することもできる。

 Noisyラボ・ジャパンは、日本HPのほかにトーヨーカネツソリューションズ、スリーク、アイデックコントロールズの4社が共同で運営する。日本HPが物流オペレーションと情報システムを、トーヨーカネツソリューションズが搬送設備の実装を、スリークが物流に関するコンサルティングを、アイデックがタグと読み取り装置の実装を、それぞれ分担する。ちなみに同施設は、トーヨーカネツソリューションズが所有する千葉県木更津市の工場の一角に開設されている。

 日本HPのマーケティング統括本部インダストリマーケティング本部の三宅信一郎氏によれば「正式オープン前の3カ月で、のべ200人以上が見学・視察に訪れている」という。「特にアジア地域からの視察が多く、RFIDが近いうちにブレークするだろうという実感を得た」(三宅氏)。

 「韓国からは軍事関連機関が、シンガポールからは学術研究機関が視察に来ている。また台湾からはEMS(Electronic Manufacturing Service)企業の経営幹部約70人が見学に来ている。ただ彼らは製造現場でのRFID利用を検討しているわけではない。米国の大手小売り店でのRFID利用を念頭に置いている。つまり、彼らEMS企業は、自社の製品にRFID導入が義務づけられた場合に備えているようだ」(三宅氏)

 Noisyラボ・ジャパンは、2006年1月以降に国際的な標準規格であるEPCglobal Networkに準拠したデモや検証環境を整備し、2006年2月以降に施設内の設備を活用した製造から小売りまでの流通トレーサビリティを研究する、といった予定を立てている。

 また2006年の早い時期に、860〜960メガヘルツの周波数帯に対応するタグとR/Wを導入して検証環境に利用し、2007年にも米のNoisyラボとシンガポールに今後開設予定のNoisyラボと連携した世界規模でのSCM(サプライチェーン管理)の調査・研究・準備をしていくとしている。

 また同日にNoisyラボ・ジャパンのオープニングセレモニーが開催。セレモニーに出席した経済産業省商務情報政策局流通・物流政策室長の浜辺哲也氏は挨拶の中で、「ヨドバシカメラがRFIDを本格導入すると決めたことは、政府としてもショックだ。Noisyラボ・ジャパンのサービス提供で、ほかの日本企業が、第2、第3のヨドバシカメラになることを期待している」と話している。ヨドバシカメラは、この11月にも新物流センターを稼働させ、2006年5月末から商品の検品作業にRFIDを利用する予定。

Noisyラボ・ジャパン内にある「高速認識テスト」の設備。工場の製造ラインや物流センターの搬送ラインなど、コンベヤ上を移動する対象物についたタグを読み取る処理をシミュレーションできる。コンベヤの速度は1分当たり120m、150m、180mの3段階を選べる。デモでは間違えることなく、対象物のICタグを読み取っていた

こちらは「仕分け認識テスト」設備。物流倉庫内での自動仕分け処理をシミュレーションできる。貨物につけられたタグの情報を、コンベヤ上のアンテナで読み取り、タグに書き込まれた情報に応じてコンベヤの経路を制御して、貨物を仕分ける。


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