日本ヒューレット・パッカード(日本HP)と日本BEAシステムズは12月14日、KDDIが展開するau携帯電話事業の基幹IPプロビジョニングシステム「ARIAL(アリエル)」を、「HP Integrity」サーバ上に「BEA WebLogic Integration」を配した構成で構築したことを明らかにした。このシステムは2000万契約を超えるauユーザーを支える環境として、すでに安定稼動している。
KDDIは、増加の一途をたどる契約者や続々と追加される新サービスの実装に、これまで利用してきた携帯電話サービスの基幹システムが耐え切れないと判断。Solarisサーバで構築されていた基幹システムの刷新を決めた。
そこで同社は、システム刷新の提案を複数にベンダーに依頼。提案を求めた主な改善点は、「システムの拡張性を確保」「開発のリードタイム短縮」「並行開発環境の実現」「開発コストの削減」「障害が他システムに影響を与えない設計」の5点。
このRFPに日本HPは、HP IntegrityサーバとBEA WebLogic ServerおよびBEA WebLogic Integrationの組み合わせを提案。これが採用され、約8カ月の開発期間でシステムを構築した。データ移行件数1800万件以上、移行時間12時間で、すべてのマイグレーションを完了している。
新基幹システムであるARIALの導入により、KDDIは開発期間30%短縮、案件対応能力150%向上、処理速度の向上など、さまざまな効果を得ている。