IDC Japanは4月17日、2005年国内IT市場規模および2010年までの市場予測を発表した。発表によると、2005年第4四半期(10月〜12月)の調査時点で、2005年の国内IT市場規模は11兆7052億円で、前年比3.1%の増加となった。また、2005年〜2010年までの年間平均成長率は1.8%で、2010年には12兆7796億円に達すると予測している。なお、2005年の実績は前回(2005年第3四半期)時点の調査結果より前年比で0.2ポイントの上方修正となった。この動向は、景気回復が影響しているとしている。
IT市場は、企業では設備投資やM&A、グループ再編などに積極的になっており、これに伴ってIT製品やサービスへの需要も上向きになっている。また、消費者市場においても、雇用環境の改善や所得が増加していることからIT製品の購入が増加している。ただし、企業を取り巻く経営環境の変化がますます激しくなってきていることから、企業ユーザーは経営基盤としてのITシステムに厳しいROI(投資対効果)を求める姿勢を強めており、ITベンダーにとって厳しい状況が続いていると分析している。
製品分野別では、ITサービス市場は受注案件数が増加傾向で、今後もゆるやかな拡大が見込まる。しかし、案件の小粒化や開発期間の短期化、人材やスキルの不足といった課題もあるとしている。パッケージソフトウェア市場では、システムおよびネットワーク管理ソフトウェアやストレージソフトウェアなどのシステムインフラストラクチャソフトウェアが順調な伸びを示している。ハードウェア市場では、販売数量は拡大するものの、低価格製品への需要シフトと製品価格低下というトレンドが継続するため、引き続き縮小すると予測している。