情報処理推進機構(IPA)とJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は4月20日、06年第1四半期(1月-3月)の脆弱性関連情報の届出状況をまと め、発表した。
06年第1四半期に届け出のあったソフトウェアの脆弱性情報は34件、ウェブ アプリケーションの脆弱性情報は72件だった。2つをあわせた就業日1日当たり の届出件数は1.60件となり、05年第4四半期より0.2ポイント増加した。
公表されたソフトウェアの脆弱性は7件、このほか、製品開発者自身から脆 弱性と対策情報の連絡を受けたものが1件あった。また、ウェブアプリケーシ ョンの脆弱性では、55件が今期中に処理が終了し、うち32件で修正完了した。
この四半期の特徴として、ウェブアプリケーションの脆弱性において、「フ ァイルの誤った公開」の届出件数が増加した。複数のWebサイトで同じショッピングカートを使用しており、アクセス権限の設定ミスにより、顧客情報が含 まれたファイルを誤って公開してしまい、誰でも自由に閲覧できる状態になっ ていたという届出があったためだ。
ウェブアプリケーションの脆弱性の修正状況についてもまとめており、届出 の受付開始から06年3月末までの届出について、ウェブサイト運営者に脆弱性 の詳細情報を通知してから修正されるまでに要した日数は、31日-50日がもっ とも多かった。また全体の81%で、サイト運営者への通知から90日以内に修正 されている。
IPAとJPCERT/CCでは、脆弱性の修正を促進していくため、Webサイト運営者 とシステム構築事業者に向けて、ショッピングカートやメール送信フォームな ど、他人が作成したソフトを利用する際は、そのソフトの安全性を確認して欲 しいと呼びかけている。また、一般のユーザーに対しても、パッチの適用など 自発的なセキュリティ対策が必要と指摘している。