KVMスイッチの日本ラリタン・コンピュータ(ラリタン)は5月25日、サーバやネットワーク機器を監視するアプライアンス「CommandCenter NOC(CC-NOC)」を発表した。オープン価格で2006年7月からの販売を予定している。
CC-NOCは、ネットワーク機器を監視して、情報を収集・維持するとともに、ネットワークのトラフィックを分析、トラフィックデータの種類・量・頻度などを含むレポートを作成する。ネットワーク環境の脆弱性の有無を調べることで、ネットワーク管理者のセキュリティ上の問題解決をサポートする。
ネットワーク関連では、システムイベントを監視・分析して、システムリソースへの不正アクセスの試みの有無を調べる進入検知機能も搭載されている。さらに、ネットワーク上に存在するハードウェアとソフトウェアのインベントリのレポートを出力する。このレポートは、サービスの可用性を説明するのに役立てることができるという。
また、サーバやワークステーションを管理し、サーバやワークステーションのパフォーマンスやイベントデータを一元的に管理する。
ラリタンでは、システムやネットワーク、事前検知型のセキュリティ管理を統合、ITがもたらすサービスレベルに影響を及ぼす問題を管理者が事前に特定するというソリューションを展開している。同社のKVMスイッチやシリアルコンソールサーバと「CommandCenter管理アーキテクチャ」を構成するアプライアンスを組み合わせることで、インフラの統合管理がシンプルになるとしている。
CommandCenter管理アーキテクチャを構成するアプライアンスとしては、今回発表したCC-NOCと、すでに発表されている「CommandCenter Secure Gateway(CC-SG)」がある。CC-NOCはシステムやネットワーク、セキュリティを管理することで、サービスレベルの影響が出る前に、問題を検出することが目的となっている。一方のCC-SGは、デジタルKVMスイッチを統合して高速のリモートアクセスとBIOSレベルの制御までをシングルサインオンで実現できるようになっている。
CC-NOCのラインアップは以下のようになっている。
- CommandCenter NOC 250:最大250台のWindowsワークステーション、25台のマイクロソフトサーバ、25台のネットワークサーバ(UNIXおよびLinuxサーバを含む)を集中管理
- CommandCenter NOC 100:最大100台のWindowsワークステーション、10台のマイクロソフトサーバ、25台のネットワークサーバ(UNIXおよびLinuxサーバを含む)をサポート
- CommandCenter NOC 2500:250台以上のWindowsワークステーションの管理機能をサポート、以下のCommandCenter NOC 2500 Nをベースユニットにしたモジュールから構成される
- CommandCenter NOC 2500N:250台のネットワークサーバ(LinuxおよびUNIXさーばを含む)に対してネットワークマネジメント、脆弱性スキャンと分析、アセットインベントリとトラッキング、レポート機能をサポート
- CommandCenter NOC 2500S:進入検知とトラフィック分析をサポート
- CommandCenter NOC 2500M:最大250台のWindowsサーバプラットフォームと500台のWindowsワークステーションもしくはデスクトップを管理
ラリタンでは、今回のCC-NOCの対象企業として、すでに同社のデジタルKVMやシリアルコンソールなどの製品を導入している企業を想定しているほかに、OpenViewやTivoli、Unicenterなど大規模なネットワークマネジメントソフトを利用している企業で、小規模部門や子会社で使うことも想定している。ラリタンによれば、CC-NOCは、SNMPベースでネットワークマネジメントシステムと統合できるとしている。