日商エレクトロニクスとWIDEプロジェクトは6月7日、米Azul Systemsの共有型演算リソースプールシステム「Azulコンピュートアプライアンス」をITインフラとして活用し、WIDEのさまざまな研究で合同実験を実施すると発表した。
Azulコンピュートアプライアンスは、プロセッサおよびメモリといった演算リソースを、ネットワーク経由でオンデマンドに供給するユーティリティコンピューティングシステム。演算処理負荷が比較的低いマシンの余剰リソースを共有することで、システム全体の効率向上を図る。日商エレは、2006年3月にAzulコンピュートアプライアンスを、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスに設置した。
日商エレとWIDEによると、現在のITシステムは「ピーク時(の負荷)に耐えられるシステムを構築する必要があることから、ピーク時以外には余剰リソースを抱えることが大きな問題」という。「Azulコンピュートアプライアンスに代表されるユーティリティコンピューティングでは、今後のインターネットサービスにおいてこのような問題を解決することが重要な要素となっている」(日商エレ、WIDE)
今後、日商エレとWIDEは、Azulコンピュートアプライアンスを活用し、インターネットで収集したデータから交通情報や気象情報などを作成するシステムをテーマとして、同システムの構築および運用に関する共同研究を進める。また、気象センサー情報のデジタルアーカイビングなど、JavaベースのアプリケーションをAzulコンピュートアプライアンスに集約させる環境を構築するといった取り組みを通じ、大規模な環境下におけるシステムの規模性や実現性に関する研究も展開していく。