シマンテックは7月3日、データセンターにおけるアプリケーションやデータベース、サーバ、ストレージなどを統合して管理できるソリューション「Symantec Data Center Foundation」を発表した。すでに米国では5月に発表しており、日本でも正式に提供開始する。
Symantec データセンター管理担当グループ プレジデントのKris Hagerman氏は、「データセンターの複雑さが増しているにもかかわらず、その管理のための予算や人員リソースは増えていないのが現状だ。これまでは、データセンターに存在するさまざまなベンダーの製品を扱うにあたって、そのベンダー独自のツールで管理していたが、製品の数が増えるに従ってツールの数が増えてしまうといずれ管理不能になってしまう」と、データセンターの抱える課題を指摘した上で、Data Center Foundationがこうした課題を解決するものだとした。
Data Center Foundationは、「Veritas NetBackup」「Veritas Storage Foundation」「Veritas Server Foundation」「Symantec i3」を統合したものだ。
NetBackupは、データのバックアップやポリシー管理などが可能な製品だ。この中に含まれる「NetBackup Operations Manager」にて、ブラウザベースのコンソールからバックアップ作業やポリシー管理を効率的に行える。また、この製品ファミリーに新たに加わった「Veritas CommandCentral Service」では、ビジネスレベルのレポート作成も可能だ。
Storage Foundationは、同日新バージョンとなる5.0が発表されたばかり。5.0には、Unix、Linux、Windowsで集中化されたマルチホスト管理機能を提供する「Storage Foundation Management Server」が含まれている。ほかにも、アプリケーションに合ったストレージティアを自動的に選択して移動させるDynamic Storage Tiering機能や、I/O性能、デバイスディスカバリ、SAN全体のパスのフェールオーバーを向上させるDynamic Multipathing技術などが備わっている。
Server Foundationは、今回同時発表した新製品ファミリーで、「Veritas Configuration Manager」(旧「Relicore Clarity」)と「Veritas Provisioning Manager」(旧「OpForce」)で構成される。Configuration Managerでは、データセンター内のサーバとアプリケーション、およびその設定の依存性を見つけだし、決められた基準で運用されているか確認できる。また、Provisioning Managerは、サーバやアプリケーションのプロビジョニング、パッチの配布と適用、ソフトウェアの展開などを自動化するツールだ。
i3は、クライアントからストレージまで、インフラストラクチャのすべてのレベルにわたってアプリケーション環境を最適化できるソリューションとなる。
こうしたソリューションを包括的に提供することで、「各ベンダーに合わせたツールを個別に購入する必要がなくなり、今すぐコスト削減が実現できるだけでなく、将来的にITをサービス形式として提供する際のインフラ作りに役立つことになる。つまり、短期的・長期的なメリットがあるサービスだ」とHagerman氏は新サービスをアピールした。