サンフランシスコ発--XenSourceの最高経営責任者(CEO)Peter Levine氏は米国時間8月17日、来週から同社の「XenEnterprise」を販売することを明らかにした。XenSourceは仮想化技術を提供している新興企業。
現地で開催されている「LinuxWorld Conference and Expo」でスピーチを行ったLevine氏は、「(同製品の)一般販売を来週から始める予定だ」と話した。同ソフトウェアは、「10分で導入できるXen」という同社のキャッチフレーズに従って、オープンソースのXen仮想化ソフトウェアを簡単に利用できるようにすることを第一目的とした製品である。
XenEnterpriseは、仮想化市場のパイオニアであり、今日のx86系サーバ市場を支配しているEMCの「VMware」ソフトウェアと直接競合する。仮想化ソフトウェアを利用すると、1台のコンピュータ上で複数の「仮想マシン」を実行できるので、1種類のOSが稼働する非効率的な複数のコンピュータを、複数のOSが稼働する効率的な1台のコンピュータに置き換えることが可能になる。
2006年2月に実施された調査では、今日機能しているサーバのうち、仮想化ソフトウェアを使用しているのはわずか6%という結果が出たと、Levine氏は述べている。同氏は、XenEnterpriseの提供によって、「仮想化機能の販売および購入を可能にし、残りの94%(のサーバ)でもこれを利用できるようにした」と話した。
XenEnterpriseの使用は非常に簡単だと、Levine氏は力説する。同社が米国時間7月4日に催したパーティで2本のビールを空けながら、Levine氏は自分の力だけで同ソフトウェアをインストールし、試用してみたと述べた。「少し酔っていたのだが、ものの15分ほどで、マニュアルを見ずにソフトウェアをインストールし、複数のゲストOSを動かすことができた。ほんとうに簡単な作業だった」(Levine氏)
XenはLinuxとともに成長した。Linuxは、仮想化技術を活用できるよう変化--あるいは「進化」--を遂げてきたのである。XenEnterpriseでは、Windowsを稼働させることも可能になるという。変更が加えられていないOSを動作させられるのは、これまでVMwareソフトウェアの専売特許だったが、IntelおよびAMDの新たなサーバ用プロセッサには、そうしたOSをXen上でも同様に稼働させる機能が搭載されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ