AMD、ATIの買収手続きを完了--CPUとGPUを統合したプロセッサの提供を目指す

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:向井朋子、福岡洋一 2006年10月26日 21時10分

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 Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間10月25日、54億ドルでATI Technologiesの買収を完了したと発表した。同社はチップセットやグラフィックス技術の拡大へ乗り出そうとしている。

 またAMDは、「Fusion」(コードネーム)開発プロジェクトについても発表した。AMDの最高技術責任者(CTO)であるPhil Hester氏が2006年入ってから説明した概略どおり、同プロジェクトでは2008年から2009年の間に、CPUとGPUをシリコンレベルで統合したx86プロセッサの提供を目指している。それが実現する前にAMDでは、ここ数年間Intelが採ってきた戦術でもある、PCプロセッサとチップセットの組み合わせを顧客に提供できるよう、チップセットの設計におけるATIの技術を採用していく予定だ。

 今回の買収契約の背後にある理由の1つとして、より完全な製品をPCユーザーに提供したいというAMDの思いがある。同社は最近、大手PCベンダーと接触しており、Hewlett-Packardにおいて製品ラインを拡大し、Dellに関しても存在感を拡大している。Hester氏によると、膨大な量のPCを出荷しているこれらのベンダーは、プロセッサと、プロセッサを他のすべてのシステムに結びつけるチップセットを、一度にまとめて取引する方式を望んでいるという。

 AMDは、同社のプロセッサ用チップセットに関して、NVIDIAやATIをはじめとするサードパーティー企業に依存してきた。しかし今回のATI買収によって、AMDはこれらのチップセットを独自に設計、構築できるようになる。合併後に同社がIntel製品向けにチップセットを引き続き製造するかどうかは不透明で、AMDとIntelとの駆け引きという点で興味深い展開になりそうだ。

 しかしAMDでは、さらに高度なゲームやマルチメディアアプリケーションが開発されるにつれ、グラフィックスプロセッサはPCにとって、これまで以上に重要パーツになると見込んでもいる。同社は今後、ATIの強力な独立したグラフィックスチップに対応するチップセットのほか、グラフィックス機能が組み込まれたチップセットをPCベンダーに提供できる。Intelの場合、主流PCユーザーにとっては十分な、基本的なグラフィック技術を統合したチップセットを提供することで、かつてはNVIDIAやATIによる個別のグラフィックスプロセッサによって支えられていた市場を侵食しつつ、PCグラフィックス技術を提供する最大手企業の地位に到達している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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