セキュリティとアベイラビリティ(可用性)という2つの分野の製品を統合させ、両分野でよりプレゼンスを高めようとするSymantec。同社は11月上旬、都内で開催されたイベント「Symantec Vision 2006」にて、データ保護ソリューションとなる「Symantec Backup Exec 11d」を発表した。
製品発表時に来日したSymantec データセキュリティマネジメントグループ バイスプレジデントのDeepak Mohan氏は、11dが「継続的なデータ保護や、きめ細やかなリカバリ、バックアップデータの安全性確保、そして拡張性をすべて備えた製品だ」とアピールした。そのMohan氏に、データ保護市場について、そしてこの分野での競合関係について聞いた。
--データ保護の重要性は、ちゃんと認識されていると思いますか。

2001年の同時多発テロから始まり、この数年間ハリケーンなどの自然災害も数多く発生し、多くの企業がビジネスの継続性について真剣に考えるようになりました。ただ、クライアント保護とアプリケーション保護の分野においては、まだ認識が十分でないと感じています。
クライアント保護というのは、例えば社員が会社を去る際に、企業に属すべきデータが社員と一緒に持ち出されないかといったことです。一方、アプリケーション保護は、従来のバックアップシステムでは完全にカバーされていないことが多いのです。特にアプリケーションがオンライン上で24時間休みなしに走っていて、バックアップする時間が取れない場合、特別なバックアップシステムが必要となります。それがSymantecのBackup Execのような製品でカバーできます。
こういった特別なバックアップシステムが必要だということに気づかず、問題が起こった際にデータをリカバリして初めて、十分バックアップが取れていないことに気づくケースが多いのです。
--十分なバックアップができない製品にはどのような製品があるのでしょうか。
あまり他社製品のことを悪く言いたくはありませんが・・・ 例えばMicrosoftは、Windows XPやWindows Server 2003でバックアップユティリティ機能を提供していますが、これはファイルのバックアップのみを実行するものです。
--ではこの分野で競合と見ているのはどの企業ですか。
Gartnerがバックアップソフトのシェアを発表していて、Symantecはこの分野のトップとなっています。Symantecに続いて、IBM、EMC、CA、CommVault、Hewlett-Packardなどがこの分野でシェア争いをしています。
ただ、製品でいえば、発表したばかりのBackup Exec 11dは、Microsoft Exchangeなどのデータを継続的に保護する新機能や、個別データのリカバリが可能な「Granular Recovery Technology」、オプションでシステムリカバリ機能があることなどが特徴で、このような幅広い機能を提供できるのはSymantecのみです。
また、セキュリティとアベイラビリティがリンクしたソリューションを提供できる企業もSymantec以外にはありません。セキュリティ分野でナンバーワンのSymantecが、アベイラビリティでナンバーワンのVeritas Softwareを買収したのですから、これは大きな強みです。