IDC Japanはこのほど、2006年10月に国内の主要企業180社を対象に実施した、コンプライアンス(法制対応)に関する調査結果を発表した。
調査によると、2007年のコンプライアンス関連IT予算について、46.2%の企業が増額を見込んでおり、「20%以上増額」と回答した企業が34.5%を占めていることが明らかになった。
コンプライアンスの推進組織については、チーフコンプライアンスオフィサー(CCO:全社レベルのコンプライアンス統括最高責任者)を置いている企業は42.8%にとどまり、組織体制の整備と人材の育成・確保が当面の課題となっている。
コンプライアンスインフラストラクチャについては、「セキュリティソフトウェア」「情報/データ管理ソフトウェア」「ストレージソフトウェア」など基盤系ソフトウェアの導入は進んでいるものの、「コンテンツ管理ツール」「情報アクセス/デリバリーソフトウェア」などの導入は遅れている。
また、ガバナンス/リスク/コンプライアンス(Governance Risk Compliance:GRC)管理ソリューションでは、財務連結/報告ソリューションの導入が進んでいる反面、その他のGRC管理ソリューションの導入は遅れており、人手と紙に依存したコンプライアンス業務プロセスの自動化が、今後のIT利活用の鍵となるとしている。
IDC JapanのITスペンディングリサーチマネージャーである笹原英司氏は、「一つの法制度ごとにソリューションを導入していくと、コンプライアンスのための情報システムがスパゲティ状態となり、逆に企業の経営リスクを増幅しかねない。ITベンダーは、共通の機能コンポーネントやビジネスサービスから成るモジュールを組み合わせることによって、ITの有効性や効率性を引き出すことができる包括的なコンプライアンスソリューションを提供すべき」と述べている。