「インターネットの父」として知られるVint Cerf氏が、スイスのダボスで行われたWorld Economic Forum(ダボス会議)に出席した要人らに対し、現在インターネットはボットネットの深刻な危険にさらされていると警告した。
ボットネットとは、外部の人間に乗っ取られたPCで構成される膨大なネットワーク群で、スパムやスパイウェアの送信、サービス拒否(DoS)攻撃の拠点として利用される。報道によると、そのボットネットが、潜在能力という点で、驚異的速さで成長を遂げているという。現在Googleに勤務するCerf氏は、ボットネットによってインターネットの未来が台無しになる可能性があると警告した。また同氏は、ボットネットの拡大を流行病に例えた。
Cerf氏は、現在インターネットに接続されている全PCの4分の1に当たる、およそ1億5000万台がトロイの木馬に感染している可能性があると予測する。トロイの木馬は、密かにコンピュータとブロードバンド接続をコントロールするプログラムで、感染すると遠隔地にいる犯罪者にPCとブロードバンド接続の両方を乗っ取られてしまう。
セキュリティ企業MessageLabsのチーフセキュリティアナリストであるMark Sunner氏は、Cerf氏の警告は人々を不安に陥れるためのデマでも何でもなく、状況は少なくともCerfの警告と同じくらい深刻だと語った。
Sunner氏によると、2007年に入ったあたりに、複数のセキュリティの専門家がSpam Thruと呼ばれる1つのボットネットを監視していたという。このSpam Thruは、「自分の縄張り」から他のボットネットを排除するための独自のウイルス対策技術を有しているだけでなく、内蔵されているさまざまな防御技術を持っているという点で、他の大半のボットネットの10倍の生産能力を有していたという。
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