Tellmeは2006年に新規株式公開を実施するものと見られていたが、公募が行われることも、公開に先立って必要な書類が証券取引委員会(SEC)に提出されることもなかった。最近は買収の噂が絶えず、買収元としてGoogleやMicrosoftの名が挙がっていた。
Tellmeに出資するBenchmark CapitalのパートナーKevin Harvey氏は株式を公開するか、それとも売却に踏み切るかは、新興企業にとって大きな問題だという。
Harvey氏は14日、「Tellmeの場合、音声と情報サービスの融合について、経営陣が幅広く発展的なビジョンを描いていた。最終的には、Microsoftと組む方が、ビジョンを実現しやすいことは明らかだったと思う。同社は、新規株式公開をできるだけの財務状況にもあった」と述べる。
Tellmeは約320人の従業員を抱え、黒字経営を実現していた。直近の2000年10月を含め、何度かベンチャーキャピタルから資金を調達しており、これまで2億3000万ドル以上を集めている。同社には、Microsoft元幹部のBrad Silverberg氏も出資している。
Microsoftによると、Tellmeの幹部や従業員は買収完了後にMicrosoftに移籍する予定だという。また、MicrosoftはTellmeの既存サービスを継続する意向だ。
Tellmeは、消費者向けの音声ポータルを運用するほか、FedEx、American Airlines、American Expressなどの大企業に音声応答システム向けの技術を提供している。Raikes氏とMcCue氏は電話会議で、電話番号案内サービスの半数でTellmeの技術が利用されているため、米国人の3人に1人が毎年同社の技術を利用していることになると述べている。
Tellmeの業務はRaikes氏のビジネスソフトウェア事業部に組み入れられるが、Microsoftには、この技術を使って、モバイル検索分野の競争でGoogleなどに対して優位な立場につきたいと考えている。Raikes氏は、「全社に幅広く浸透するだろう」と述べる。
Tellme買収を皮切りにMicrosoftが検索分野の買収を今後も進めるのかどうかという質問に対し、Raikes氏は、詳細は明らかにしなかったものの、「Microsoftに優秀な人材をもたらす企業の買収は常に検討している」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ