Microsoftは「Windows Vista」の製品版をリリースするまでに、いくつかの機能の削除を強いられた。だが、新しいサーバ製品Longhorn Serverでは、意外にも、機能の追加が行われる。
Microsoftは2006年5月の「Windows Server “Longhorn” Beta 2」リリース以降「PowerShell」と呼ばれる新コマンドラインインターフェイスの搭載や設定済みのサーバロールの追加を行ってきた。
Windows Vista発売に向けた取り組みの中で「PC-to-PC sync」やファイルシステム「WinFS」などいくつかの機能を削除しなければならなかったのとは対照的である。
Windows Server部門のシニアテクニカルプロダクト・マネージャーWard Ralston氏は「Beta 3ではどの機能も犠牲にせずに済んだ。それどころか、新規に追加したものもある。Windows Server『Longhorn』の開発について、非常によい感触を得ている」と述べた。
Microsoftは、Longhorn Server Beta 3の一般向公開を2007年6月末までに、正式版の発売を2007年後半に行う意向である。同社は先週、テスター向けの暫定ビルドをリリースした。Ralston氏はこのビルドを「全機能入り」のバージョンとしており、今後追加される新機能はないということになる。
Microsoftが勝利宣言をするにはまだ早いとする声もある。GartnerのアナリストJohn Enck氏はLonghorn Serveの機能削減について、Windows Vista発売時にそのようなことがたびたびあったことを指摘しつつ、まだ可能性があると述べた。
同氏は「これまでの実績から、開発室の床に何か置き去りにされるであろうことはわかる。では一体何が置き忘りにされるのか、ということが問題だ」と述べた。
Enck氏は、Microsoftがリリース目標を守ることについても疑問視している。同氏は「Microsoftは期日通りのリリースをしたことがない。今回が最初の例になる可能性はあるが、そうならない可能性もある」と述べた。
Enck氏は、Microsoftは目標通りに開発を進めているようだとしたが、それでもなお、Gartnerの見方としては「リリースが2008年にずれ込む可能性が非常に高い」と述べた。
Microsoftは、サーバ製品のリリースを4年ごと、中継ぎバージョンのリリースを2年ごとに行うという新しいリリーススケジュールを守りたい意向である。前回のメジャーリリースである「Windows Server 2003」は2003年4月に、より小規模なアップデートである「Windows Server 2003 R2」は2005年10月に発売されている。