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セキュリティへの要請と新たな技術がシンクライアント再評価の理由 - (page 2)

柴田克己(編集部)

2007-04-17 12:41

「セキュア」であることが再評価の理由に

 このような経緯で、一度はニッチな世界へと収まってしまったシンクライアントが、今改めて評価されるべき理由は何だろうか。そのひとつは、企業における情報セキュリティに対するニーズの高まりである。

 ビジネスとITとを切り離して語ることができなくなった現在、企業のPCに蓄積されるデータの量と価値は、一昔前とは比較できないほどに増大した。そうした中で、ネットワーク環境の整備、端末の小型化、リムーバブルメディアの大容量化は進み、企業内に存在するデータが流出する危険性も高まった。

 ノートPCやリムーバブルメディアの紛失、不適切なハードディスクの廃棄による情報流出、また、セキュリティ意識の低い社内ユーザーが自身のPCでファイル交換ソフトを利用することによる情報の漏えいなどが、一般のメディアでも事件として大きく取り上げられるようになった。併せて、個人情報保護法や金融商品取引法などの法令によって、企業には、自社に存在するデータを適切かつ安全に取り扱うことが求められるようになった。

 クライアント側でデータを保存させず、サーバ側で一括管理するというシンクライアントの仕組みは、こうした企業の情報セキュリティに対するニーズへの有効な回答のひとつとなる。現在、シンクライアントソリューションを提供するベンダーの多くは、このセキュリティ面でのメリットを前面に押し出している。

 また、近年におけるネットワーク環境の整備は、シンクライアントの導入時に発生するトラフィックに十分に対応できるものとなりつつある。さらに、マイクロソフトがWindows Serverに対してターミナルサービスを標準搭載し、いわば「Windows版シンクライアント」が実現可能となったことで、利用できるアプリケーションが少ないという問題も解決している。

 加えて、「PCのブレード化」「サーバの仮想化」といった新たな技術の登場により、現在では企業の状況や、ユーザーのニーズに合わせた、さまざまな形式のシンクライアントソリューションが提案されるようになっている。

 サーバ側での集中管理によるセキュリティの向上と管理コスト削減というメリット。そして、柔軟性のあるアーキテクチャを可能にする新たな技術の登場。これらを後ろ盾に、シンクライアントは企業システムに対する新たなアプローチを開始しているのだ。

 次回以降、現在シンクライアントソリューションを提供する各ベンダーの戦略を紹介していく。

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