セールスフォース・ドットコムとフィードパスは4月19日、両社が提供するSaaS(Software as a Service)プラットフォーム上でのマッシュアップサービスとなる「feedpath Zebra for AppExchange」を発表した。セールスフォースの提供するオンデマンドCRM「Salesforce」への情報の入力が、フィードパスの提供するオンラインメールアプリケーションツール「feedpath Zebra」からできるようになる。
feedpath Zebra for AppExchangeでは、Zebraのマッシュアップインターフェースとなる「Zimlet」を介してSalesforceへのシングルサインオンを実現しており、ZebraユーザーはZimlet上のSalesforceアイコンに情報をドラッグ&ドロップするだけで、Salesforceへの情報入力が完結する。同様のサービスは、米Salesforce.comとZebraの開発元である米Zimbraですでに実現している。
具体的な機能としては、Zebra内にあるスケジュールや連絡先をSalesforce Zimletのアイコンにドラッグ&ドロップすることで、Salesforceのカレンダーへの予定の追加や連絡先情報の追加ができるようになる。また、Zebra内のメールをそのままSalesforceアイコンにドラッグ&ドロップし、メールの差出人情報をSalesforceに登録できるほか、Zebraからメールを送信する際に「送信してSalesforceに追加」を選択することで、送信メールの内容を自動的にSalesforceに送ることもできる。
セールスフォース・ドットコム ビジネス開発本部の田崎純一郎氏は、「通常グループウェアというものは、社内や社員そのもののリソースを最適化するために作られている。一方CRMは、顧客を中心とした社外に目を向けて作られている。この両方の良い面を組み合わせたことが、今回のマッシュアップの特徴だ」と話す。
現時点では、Zebra側からSalesforceへの情報入力の簡素化機能のみが実装されており、Salesforceのインターフェース上からはZebra機能の追加は見えにくいが、米国ではすでにSalesforceの画面上からZimbraのシステムにアクセスするためのタブが実装されている。日本におけるタブ機能の実装について、フィードパス 事業推進本部 マネージャーの葛山哲司氏は、「技術的には可能だが、日本では検証が終了してから実装する」としている。
一方で、今後の新たな連携機能については、「米国に合わせるのみならず、日本発のサービスも実装していきたい」と葛山氏。追加予定の機能は「顧客の意見を聞いてから」と述べるにとどまったが、「AppExchangeのパートナーともマッシュアップできればいいと考えている」と葛山氏は話している。
フィードパス 取締役 兼 CTOの後藤康成氏は、今回の両社のマッシュアップ連携について、「まさにSaaS本格始動の第一歩だ。マッシュアップインターフェースのZimletに(今回のSalesforceのような)アイコンが増えれば増えるほど、マッシュアップやSaaSが動き出していることの証明となる」と述べた。