NECは4月20日、新開発の次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)に対応したネットワーク高信頼化技術を発表した。同技術を適用したネットワークは、「通信障害が発生しても高速に復旧できるキャリアクラスの高信頼性と、ネットワークの拡張性を兼ね備える」(NEC)という。
まず、NECは、ネットワーク装置のリング型パケット転送方式(RPR:Resilient Packet Ring)の通信カードを二重化する技術と、カード間のパケット転送方法を最適化することで、カード2枚の同時運用技術を開発した。これにより、カードに障害が発生しても迅速に障害部分を迂回して通信継続を実現すると同時に、正常時には最大で従来比2倍に相当する20Gbpsクライアント収容も可能とする。
さらに、2つのリング型ネットワークを複数のリンクで接続するインターリンク冗長化技術も開発した。同技術を適用すると、リング型ネットワーク間を接続するリンク部分に障害が発生しても、50ミリ秒未満という短時間で障害から復旧し、通信停止を回避できる。また、リング単位でのネットワーク拡張も行える。設備導入後に拡張するネットワーク設計も容易なことから、NECでは「通信キャリアネットワークにおける初期導入コストの低減や、ネットワークリソース配備の最適化が図れる」としている。
NECは、これらの技術を各種装置に適用し、早期の商品化を目指す。