Red Hatは、同社の提携企業が開発したさまざまなオープンソースアプリケーションを提供する「Red Hat Exchange」(RHX)を開設した。
RHXでは、Red Hatの主力製品である「Red Hat Enterprise Linux」とJavaサーバソフトウェア「JBoss」に加え、さまざまなソフトウェアを販売する。Red Hatがそれらのソフトウェアの販売、サポートを行うが、提携企業は売り上げの一定割合をRed Hatから受け取る。また、それらの企業は必要に応じてより専門的なサポートを提供する。
Red Hatは3月に同社の主力OSの最新版Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 5をリリースした際、RHXを発表した。そして米国時間5月10日、カリフォルニア州サンディエゴで開催されているRed Hat Summitで、RHXの開設を発表した。
RHXの開設により、Red HatはMicrosoftやNovellにとって、いっそう強力なライバルとなる。Novellは、Linuxの分野でRed Hatの最大のライバルであり、「SUSE Linux Enterprise Server」をはじめ、さまざまなサーバソフトウェアパッケージを販売している。しかし一方で、RHXの開設は、Red HatがIBM、Oracle、SAPといった同社の提携企業の領域をより直接的に侵害することも意味する。
投資銀行Credit Suisse First Boston(CSFB)のアナリスト、Jason Maynard氏は10日付のリサーチノートの中で、「(RHXの開設は)補完的なオープンソース技術に対する市場の需要を見極めるための興味深い戦略であり、最終的に多くの企業買収につながると考える」とし、さらに「(Red Hatと)RHX関連の提携企業2社、コンテンツ管理のAlfrescoと、コラボレーションやメッセージングのZimbraとの間で早速相乗効果が現れている」と述べている。
Red Hat のRHX関連の提携企業リストには、有力なオープンソースサーバ企業が名を連ねている。具体例としては、ビジネスインテリジェンスのJasperSoftとPentaho、データベースのEnterpriseDBとMySQL、文書管理のAlfresco、統合業務ソフトウェア(ERP)のCompiere、メッセージングのZimbraとOpenfire、バックアップのZmanda、顧客関係管理(CRM)のCentricCRMとSugarCRM、システム監視のGroundWorkとZenossが挙げられる。
RHX上で販売されるソフトウェアは、Red Hatの主力製品と同様に、年間サポートサービスのサブスクリプション契約という形で販売される。価格はさまざまで、例えばZimbraが年間1895ドル、Alfrescoが4595ドル、SugarCRMが2495ドル、MySQLが895ドルとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ