沖電気工業(沖電気)は5月17日、TCBテクノロジーズ(旧トーメンサイバービジネス)からテレビ会議システム「Visual Nexus」事業を譲り受けると正式発表した。6月より沖電気のIP通信製品の1つとして販売し、国際市場への展開も視野に入れるという。
沖電気は現在、通信事業者が構築を進める次世代ネットワーク(NGN)向けに、映像関連を含むIP通信製品の拡充を進めており、 Visual Nexus事業の取得もこうした取り組みの一環という。
Visual NexusはSIPおよびH.323に準拠し、サードパーティのテレビ会議端末やIP電話システムと高い相互接続性を持つのがうり。TCBテクノロジーズでは2003年に販売し、日本を含む10カ国合計200社に導入したが、技術開発と販促活動の費用を回収できず、2007年3月期には1億7400万円の営業損失を出した。
沖電気は従来、子会社の沖電気ネットワークインテグレーション(OKINET)を通じて同製品の販売代理や運用保守を手がけてきたが、TCBテクノロジーズが事業売却の検討を始めたため、2007年4月より交渉に入り、5月11日に譲渡契約を交わした。今後は21日付けで国内外の販売権、知的財産権、設備などを取得する。取得金額は8500万円とする。
沖電気は、Visual Nexusを既存の自社製品と連携させ、顧客企業に提供する計画。販売、運用保守などについては引き続きOKINETが手がける。