このお話の主人公である赤井君は、実家が造り酒屋を営む明るい青年です。昔ながらの造り酒屋ですから、絶好調とまでは行かないものの、それなりに順調に商売をこなしてきました。
この赤井君が大学時代の友人である服部君と久しぶりに再会し、日本酒片手に、新しいビジネスを2人で立ち上げようと意気投合したところから、このお話はスタートします。
日本酒を片手に2人は考えました。何をビジネスにしようか? せっかく自分たちでビジネスを興すのだから、今、自分たちが持つ夢をビジネスにしようと。赤井君が長年温めてきた「最高の日本酒を世界中の人々に飲んでもらいたい!」という夢を追いかけようと。
そう、目指すは「インターネット赤井酒蔵」の設立です!
まずは何からはじめるか?
赤井(以下:赤):インターネット酒蔵の設立に向けた第一歩には、何が必要なのかな?
服部(以下:服):オフィスはオレの家に置くとして、注文を受けるための電話は問題ないな。あ、でも、“インターネット酒蔵”って言うくらいだから電子メールで注文を受けられないといけないな。
赤:電子メールがあれば注文は受けられるけど、それだけではビジネスはできないのだよね?
服:注文を受けるための電子メールは必要だけど、全国にお前の家の酒を知ってもらう意味でも、ネットショッピングサイトを立ち上げることが必要だよ。あの美味い日本酒が全国どこからでも注文できるのだから、いつか赤井酒蔵も話題になり、売り上げは右肩上がり、そして株式上場……。
赤:なんだか話が大きくなっているみたいだけど(汗)、じゃ、まず最初の目標としてはネットショップかな。
服:早速、ショッピングモールに出店の申し込みだ! ……と言いたいけれど、お金の問題もあるし、どこにでもあるショッピングモールで本当にお客さんが来てくれるのかな?
赤:ショッピングモールに出店したらメールアドレスもらえるの?
服:もらえないな。それはまた別の話だよ。
赤:服部は大学の研究室でサーバの管理をしていたよね? それだけのスキルと経験があるのだし、僕たちでサーバを用意してオリジナルのネットショップを開設することもできるんじゃないかな?
服:簡単に言うなよ。ネットショップのサーバなんて、オレ達には難しすぎるだろ。
赤:まあ、すぐにネットショップは開けなくても、大学のときみたいにホームページやメールができるようにならないかな?
服:そこまでいうなら、バイトである程度の資金は用意している事だし、サイトの構築をオレ達でやってみるか。