eBayが進めているホスティング計画は、Amazon.com Web Servicesのユーティリティコンピューティング式サービスによく似ている。Amazon.com Web Servicesは、コンピュータ処理能力およびストレージのホスティングサービスを行っている、オンラインコマース大手Amazon.comの一部門だ。
今回のプロジェクトは、eBayが外部の開発者を取り込むための大きな足がかりにもなる。各種製品や自社サービスのアドオンを健全な形でネットワーク化しようとしているeBayやAmazon、Google、YahooおよびMicrosoftなどのウェブサイト運営企業にとって、ソフトウェアプログラマの存在はますます重要になりつつあるのだ。
eBoxの完成後は、社内の開発チームが同フレームワークの「アプリケーションスタック」を利用して、他チームの力を借りずに製品をリリースできるようになり、ひいては開発期間が短くなると、Billingsley氏は述べている。
Durzy氏によれば、eBayは現時点では、基本的にサードパーティのアプリケーションホスティングは行っていないという。
だがBillingsley氏は、今後はeBoxのSOAアプローチがより多くの外部開発者を引き寄せ、eBayがホスティングするアプリケーションの開発が活発化すると予測している。ウェブサイトの一部の機能をめぐっては、外部開発者とeBay社内の開発チームが競合するケースも出てくるかもしれないと、同氏は話した。
「だれもが同一のサービスフレームワークから開発を始めるという試みは、非常に興味深いものだと考えている。適者生存競争が促されることになるからだ。きわめて革新的なシステムであると思う」(Billingsley氏)
eBayはすでに、APIを介して同社のWebサービスを外部開発者に提供しており、最新の調査では、数あるウェブプログラムの中でも同社の開発者向けプログラムが最高であるという結果が出た。
しかしeBoxでは、検索および在庫管理機能といったこれらのサービスを、1つの大きなアプリケーションの中で緊密に連携させた形ではなく、よりモジュラー化した形で利用するようになる。これにより、きわめて特殊な機能を実現する最高のアプリケーションを提供しようと、開発者が互いに切磋琢磨する環境が生まれる可能性があるという。
「例えば、ベトナム産のガラスでできた猿の置物を収集する機能が登場するなどして、より完璧なショッピング経験が可能になればよいと思っている。オープンであり、各種機能の開発が簡単にできる市場およびシステムを作り出し、こんな機能がほしいと言えば、だれかがわずか500ドルで開発を請け負ってくれるような環境を築いていきたい」(Billingsley氏)
サードパーティ開発者と利益を分け合うことを可能にするビジネスモデルだと、Billingsley氏は話した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ