Second Life 新世界的ものづくりのススメ--その17:余剰スペースで遊ぶパート4--カフェの整合性調整と土地の編集

大槻透世二(サイバーアドベンチャー株式会社)

2007-06-14 08:00

(前回よりつづく)

 「それにね、ウェブでの効果を表す指標としては、アクセス数、PV数、そして販売サイトであればコンバージョン率になるけどね……」

 彼女の所属はマーケティング部門だ。さすがに頼りになる。

 「実はね、このSecond Lifeの世界には、アクセス数は存在するし、コンバージョン率も存在するんだけど、PV数というのが存在しないの。だってそうよね。3次元の世界は、ページで構成されている世界じゃないから」

 こうして見るとやはり、ウェブの指標をそのままあてはめることができない世界であることは確かのようだ。

 「面白いよね。線と直線の世界、つまり2次元の世界に生きる主人公がその世界を描いた小説が何百年か前にあったけど、その世界も奇妙な世界だったわ。2次元と3次元の世界、やっぱり違うわよね」

 僕は彼女の意見に目で深く同意した。それはそうだ。彼女が2次元だったら、彼女はこれほど魅力的ではないだろう。平面の彼女よりも、やっぱり3次元の彼女のほうが断然いい。

 「他にウェブの効果指標としては、ユーザーのサイトでの滞在時間などもあるわ。これも面白いんだけど、例えば、私はウェブで同じサイトを15分以上見ないけど、Second Lifeでは軽く30分以上はその島に滞在することが多いわね。そこで話が盛り上がれば1〜2時間以上いることもあるわね」

 なるほど。Second Lifeはウェブのように「情報を得る」手段じゃない。現実と同じようにコミュニケーション、つまり「感情の交流」を得る手段なんだな。そこでは、何かあれば、1時間以上滞在するのも、あり得ない話ではない。

 しかし、私はそう思いながらも少し疑問に思った。

 「でも、例えば、今の企業SIMに人が居ないのは当たり前だとしても、それじゃ、どうすればいいのかな。やっぱり今の段階では企業はそういうSIMしか作れないのかな?」

 「そうとも言えないわ。でもそれを話すと長くなりそうだから、それはまたランチタイムにでもね」。そう言って彼女は去っていった。

 そして、私はそのままデスクに向かった。私のファーストライフでの仕事が始まったのだ。

前回の復習

 前回は主にドアスクリプトを紹介した。それまでのものづくりは、ほとんどが機能の紹介やプリムの変形などがメインだった。前回はそれを1回分まるごとスクリプトの解説に費やしたが、理解できただろうか?

 スクリプトに対して苦手意識をもっている方もたくさんいると思う。なので、前回では極力難しい説明を省いたつもりである。関数や演算子などもたくさん出てきたが「???」なところも多かったはずである。それらを一から説明するのはまた別の機会に譲り、前回は「こういうことをしているんだよ」ということを説明したつもりである。

 とはいえ、初めての人には難しかったかもしれない。無理をせず、使えるスクリプトを使って、変更個所のみを理解できるようにすればいいだろう。

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