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カネ、ヒト、時間いらずのIT内部統制--最終章:すでにあるPCをActive Directoryに登録する(準備編) - (page 2)

木村尚義

2007-07-30 20:36

「緩やかな移行」を行う

 ワークグループの(ドメインで管理されていない)PCをActive Directoryドメインに登録する作業を、「ワークグループ環境からActive Directoryへの移行」と呼ぶ。この移行作業は、緩やかに行った方がよい。

 この連載の読者として想定している、中小零細規模企業の経営者やIT担当者であれば、「どうせやるなら迅速に移行してはどうか」と考えるだろう。組織が小さいということは、何をするにも小回りが利くということ。行動が速ければ、もし失敗しても、すぐに次の手が打てる。環境の変化にもすばやく対応できる。

 しかし、それは「業務が止まることがない」という前提での話である。中小零細規模の企業にとって、業務の停止は致命傷となりうる。

 クライアントPCをActive Directoryに移行したことが原因で業務が停止してしまうと、IT内部統制における「リスクコントロール」が機能していないことになる。つまり、「元も子もない」というわけだ。ここでは、業務が止まらないように、少しずつ引き継ぎながら、移行していくというやり方が賢い。

 組織全体に大きな影響を与えないようにシステムを移行していく方法は「緩やかな移行」と呼ばれる。この方法は、新たな環境において万が一トラブルが起きたときに、残しておいた以前の環境に戻れる点でメリットがある。

 緩やかな移行の手順は次の通りである。

1.パイロットユーザーの選出

 各業務のグループから移行の道先案内人ともいえる「パイロットユーザー」を1名、選出する。パイロットユーザーの役割は、移行および移行後の業務を一通り行って、問題をあぶり出すのが仕事だ。

 会社には、実際の公式な役職とは関係なく、陰のリーダーとでもよぶべき人が存在する。こういった人をパイロットユーザーとして選出できれば理想だ。なるべく口うるさいユーザーを選出するとよい。これは言うのは簡単だが、実行は難しい。経験上、口うるさいユーザーのサポートは気も重くなるし手間もかかる。とはいえ、ここさえクリアしてしまえば、ほかの社員からは、「あの人が納得したのなら、自分もやらなければ」という暗黙の了解が得られやすい。また、口うるさいユーザーに対するサポート内容を逐次記録していけば、一般ユーザーのサポートは、かなり楽になる。

2.部署の移行

 パイロットユーザーの移行で問題がなければ、部署の移行に取りかかる。

 それぞれの部署を3分の1ずつ、段階的に移行していく。計3回で全員の移行を終了するといった具合だ。毎週移行の実施をして3週間程度で移行を終えられると理想的だ。パイロットユーザーの移行に1週間、部署の移行に3週間かかるとして、約1カ月かければ移行が終わる。言うまでもないが、移行の作業が、締め日などの繁忙期にかからないように調整すること。移行のタイミングは業種にもよるだろうが、2月と8月といった比較的ヒマな時期がねらい目だ。

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