Openadsのケースで言えば、これは逆にウェブサイトに金を返すことを意味する。DoubleClick(現在はGoogle傘下)のようなプロプライエタリなモデルでは、最初から広告収入の40〜50%をウェブサイトから得ることができる。しかし、そのようなやり方はもうはやらない。Openadsはそうした料金を一切取らずに、代わりにその「損失」を量で補うという手法を取る。広告主に驚くほどわずかな手数料を課して(彼らがウェブパブリッシャーや空き広告スペースを探すのに手を貸しながら)、Openadsはウェブプロパティからビジネスを奪うことなく偉大なビジネスを築いている。
メジャーなウェブサイト(ニュースを読んだり友人と交流したりといった目的で誰もがアクセスするウェブサイト)がOpenadsを使用していたとしても、それはちょうどそうした大手ウェブプロパティがインフラストラクチャの構築にMySQLやその他のオープンソースのソフトウェアを使用しているようなもので、それほど驚くに当たらない。真の価値を手に入れるために、なぜライセンス料金やゲート料金のために金を無駄遣いする必要があるのだろうか。
この傾向は、GoogleがDoubleClickを買収したことによってますます加速している。ある企業がたとえどんなに「無害」な会社だとしても、ウェブは1社の企業に所有されるべきではない。ユーザーは選択の自由を望んでおり、Openadsによってそのような自由が確実に手に入るのだ。
Openadsは注目すべきトップクラスのオープンソース企業である。Openads、Ubuntuなどの真に分散的なプロジェクトを見てしまうと、旧来のソフトウェアの世界に対して同情の涙を禁じ得ないであろう。私はそうだ。ただし、ほんの一瞬の間だけだが。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ