独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)は10月2日、2007年9月分と2007年第3四半期(7〜9月分)のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。
発表によると、9月のウイルスの検出数は約44万個と、8月の49万個から11.4%の減少となった。また、9月の届出件数は2426件となり、8月の2806件から13.5%の減少となっている。検出数の1位は、「W32/Netsky」で約40万個、2位は「W32/Mytob」で約1.5万個、3位は「W32/Bagle」で約5000個であった。
9月のコンピュータ不正アクセス届出状況は、届出件数は10件であり、そのうち被害のあった件数は8件であった。不正アクセスに関連した相談件数は27件(うち4件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は12件となっている。
被害届出の内訳は侵入2件、アドレス詐称1件、その他(被害あり)5件であった。これらの数値は8月のものと大きな差は出ていない。
9月の相談総件数は910件で、このうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が270件(8月は330件)であり、そのほかは「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が12件(8月は13件)、Winnyに関連する相談が4件(8月は6件)などとなっている。
第3四半期のウイルス届出件数は合計8301件。四半期(3カ月)ごとの推移では、届出件数は減少傾向となっている。IPAでは、大量にメールを送信するタイプの新種ウイルスの出現もほとんどなく、また、そのようなウイルスが蔓延する状況もなくなってきているため、届出件数が減少していると推測している。この傾向は検出数においても同様であった。
第3四半期の不正アクセス届出件数は合計36件であり、前四半期の約0.5倍となった。このうち、実際に被害があった届出は29件(前四半期は61件)と全体の80.6%を占めた。不正アクセス被害の原因の内訳は、ID・パスワード管理不備が12件、古いバージョン使用・パッチ未導入が3件などとなっている。
またIPAでは、ボット感染に対する注意を呼びかけている。ボットはウイルスなどと同様な方法でコンピュータに感染し、そのコンピュータをネットワークを通じて、外部から操ることを目的として作成されたプログラム。最近では、ボットが埋め込まれたウェブページを閲覧しただけで感染するケースが多くなり、感染経路が一般ユーザーにはわかりにくくなってきている。
IPAでは、一般ユーザーやウェブ運営者などに向けたボット対策のポイントを紹介している。一般ユーザー向けには、ウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトの導入と、それらのソフトが使用するパターンファイルなどの定期的な更新を行うこと、見知らぬメールの添付ファイルは安易に開かない、不審なウェブサイトの閲覧を控えるなどを挙げている。