育児休暇をめぐる5つの落とし穴 - (page 2)

文:C.C. Holland(Special to CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2007-10-09 12:00

 体が衰弱するほどつわりがひどかったり早産の兆候があったりするなど、妊娠による深刻な肉体の問題がある場合は、早めに上司に伝えて会社の労働不能のポリシーを適用できるのか、適用できるとしたらどのような手続きが必要かなどを話し合うべきだ。単に何度も病気で休んだり、気分が悪い時に常習的に遅刻したりするなどという行為は避けてほしい。印象がすべてであり、自分にとっては必要なことに思えても、同僚の目には怠けているとかやる気がないと映る場合だってある。

 父親はつわりを経験しないが、家族が増えることに対する不安に襲われることはある。しかし、金銭的な心配について長々と話したり、家庭の困難な事情について打ち明け話をしたり、妻の妊娠によって家の中のことがすっかり変わってしまったと愚痴をこぼしたりするのはやめた方がいい。昼食を共にしながら友人に相談するのは構わないが、同僚の前では平然と振る舞い、仕事を優先させることだ。

危険性:ほとんど休暇を取らない
解決策:事前に家族との時間を優先的に割り当てる

 親になったばかりの人は、要求の厳しい職業に就いている場合や、上司から休暇を歓迎するようなしないようなあいまいなシグナルを受け取った場合は、法律で保証されている長さの休暇を取りたがらないことが多い。特に男性は、子供の世話をするために休暇を取ることが社内でまたは社会的に低く見られる傾向がある。FlexTime Lawyers LLCの創設者で社長のDeborah Epstein Henry氏は次のように語る。「たとえば、ほとんどの大手の法律事務所には寛大な休暇のポリシーがあるが、問題はその運用方法だ。どの程度の休暇を取れるかはその従業員の仕事に対する取り組み次第だという了解がある」。しかし、十分な長さの休暇を取らないと子供を産んだばかりの母親の健康上のリスクが高まるなど、問題を解決するどころか新たに作り出す結果になることもある。

 この問題を回避するには:連邦、州、そして企業のレベルで認められている自分の権利を知ること。職場にはっきりした境界を設定して自他の仕事にけじめを付けること。そして、必要であれば、人事部に事情を話して支援を求めること。「従業員には休暇を取る権利があり、雇用者はそのことによって従業員に報復をしてはならないことになっている」と、Seyfarth Shaw LLPのニューヨークオフィスのパートナーであり、雇用法と差別の問題に詳しいDevjani Mishra氏は言う。

危険性:経済状態がピンチになる
解決策:早くから貯蓄に励む

 育児休暇中は雇用者または政府が金銭的な面倒を見てくれるに違いないと考えているなら危険だ。子供が生まれた場合に部分給付または完全給付の休暇を認めてくれる企業もあるが、会社によってはある程度の期間の無給休暇しか保証してくれないかもしれない。州の支援はさらに当てにならない。育児休暇中に何らかの金銭的な補償をしてくれる州は6つしかなく、そのうち3州では給付を受けられるのは特別な事情がある場合に限られる。カリフォルニア州、ハワイ州およびニュージャージー州では、一時的労働不能保険(Temporary Disability Insurance:TDI)という形で賃金を補償してくれる。TDIは給与天引きによって雇用者が資金を提供する。ロードアイランド州は、妊娠や出産などの医療上の理由で働けない人に対して賃金の一部を補償してくれる。モンタナ州とミネソタ州は、低収入の家庭で片方の親が子供の世話をするために家にとどまることを選択した場合に、ある程度の収入を補償してくれる。経済的なピンチを緩和する手段がない場合は、たとえ取得できたとしても数日間の休日や病欠以上の休暇は期待できないかもしれない。

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