VMwareは米国時間10月8日、近日発売予定の「Virtual Infrastructure 3.5」の詳細を発表した。このバージョンには不要時にサーバを停止させる実験的な機能が搭載される。
EMC傘下の株式公開企業であるVMwareによると、この機能はDistributed Power Managementと呼ばれ、サーバのハードウェアの動作を監視し、仮想マシンを新しいマシンに移行させて不要なサーバを停止できるようにする。そして、負荷が再び増加してきたらサーバに再度電源を投入する。
Virtual Infrastructureには2つの主要なコンポーネントが搭載されている。その1つはESX Serverという基盤のハイパーバイザーであり、単一の物理コンピュータの仮想マシンと呼ばれる区域で複数のOSを同時に動作させることができる。2番目はVirtualCenterであり、管理者はこれを使用して仮想マシンを監視、管理することができる。
2007年後半に一般発売が予定されているVirtual Infrastructure 3.5のその他の機能には次のものがある。
- 新しいESX Server 3.5は準仮想化(Paravirtualization)をサポートすることによってLinuxの性能を向上させる。準仮想化によって、仮想マシンの基盤の上で実行するようにカスタマイズされたOSでは一部の動作が高速化する。また、メモリアクセスを高速化するとともにストレージとネットワーク機能を最新化するネステッドページテーブルというハードウェア機能を使用することができ、最大128Gバイトのメモリを搭載したサーバで実行できる。
- VMware Update Managerを使用すると、仮想マシンが動作しているか停止してディスクに保存されているかにかかわらず、管理者はOSにどのパッチが適用されているかを監視してそれらのパッチを当てることができる。
- Storage VMotionはVMworldで実演された機能であり、たとえ使用中でもデータベースのデータストアを1つのストレージステムから別のシステムに移動できる。この機能は修理やアップグレードのためにストレージシステムを停止させる場合に便利だが、データストアを新しいストレージシステムに移動するために必要なネットワーク資源によって通常運用時のデータベースの能力の一部が消費される場合がある。
VMwareではVirtual Infrastructureについて、ベーシックな「Foundation」、ミッドレンジの「Standard」、トップエンドの「Enterprise」という3種類のバージョンを発売する。価格はサーバに装着されたプロセッサ2個ごとで(プロセッサはコアが4個までのx86チップ)Foundationは995ドル、Standardは2995ドル、Enterpriseは5750ドルである。
Foundationはかつて「Starter」と呼ばれていたが、名称変更後のバージョンでは以前のようなサーバプロセッサの個数、メモリ使用および共有ストレージの制限がなくなった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ