4コア搭載タワー型コンピュータが急に非力に思えてきた
世界最大手の検索エンジンを動かすにはどれくらいの処理能力が必要なのだろうか。膨大なCPUサイクルが必要になるはずだ。そして、それこそまさにGoogleの新しいデータセンターが供給する能力なのだ。Googleの厳格な守秘義務契約のために誰も話してくれないが、衛星写真とちょっと工夫した推測によって解明できる。
倉庫サイズのコンピュータの電源はどうなっているか
いったい、倉庫サイズのコンピュータはどれくらいの大きさなのだろうか。Googleはその点について論文を書いているが、プロセッサの数などの詳細については明確に書いていない。
オレゴン州The Dallesのコロンビア川両岸にあるGoogleの新しいデータセンターを見てみよう。この地域は、電気代が1メガワットあたり30ドル以上に値上がりした後にアルミニウム精錬所が閉鎖されて以来、打撃を受けていた。価格設定の問題は複雑だが、現在では1メガワットあたり約45ドルになりそうだ。
この金額は読者が払っている電気代より安いと思われるかもしれないが、事実、安いのである。はるかに安い。それゆえGoogle、Microsoft、Yahooは水力発電の盛んなコロンビア川盆地にデータセンターを建設しているのである。この場所がウインドサーフィンの世界的な名所だというのはほんのおまけに過ぎない。
Googleのデータセンターの大きさを推測する
著作権のある写真を転載することはできないが、空中写真、衛星写真、Google Maps(もちろん!)やいくつかの地図ソフトウェアを使用して、2つの同一の建物にはそれぞれ10万平方フィート(9290平方メートル)のクラスAのデータセンター用フロアスペースがあると判断した(カバーが掛けられている積み込み用ドックは含まない)。以下の写真は1棟のデータセンターの冷却装置の側を写したものだ。
Googleの65万のコアを搭載した倉庫サイズのコンピュータ
ラックを数える
1台の19インチラックの大きさは幅が24インチ(約61センチ)で奥行きが30インチ(約76センチ)だから(Seattle Conference on Scalabilityで写真を見たことがある)、底面積は5平方フィート(約0.46平方メートル)である。消防規則で各ラックの前には3フィート(約90センチ)の通路を設置する必要があるので、合計床面積は11平方フィート(約1平方メートル)となる。つまり、データセンターの各棟には10万÷11、つまり9090台のラックを収納する広さがあることになる。
さらにギガビットイーサネット用のファブリックラック、電源の変換および調節用の設備、冷却および空気処理システムも必要だ。10%のラックがサーバ以外の目的で使用されていると仮定しよう。これで残りのラックの数は8180台だ。
発表されている報告書によると、各ラックには40個のIntel製デュアルコアチップに合計80個のコアが搭載されている。8180×80=65万4400個のプロセッサコア。そして、オレゴン州のサイトにはこうした建物が2棟あることを忘れてはならない。つまり1カ所の施設だけで130万個以上のコアが使用されていることになる。
Storage Bitsの結論
Googleは安価なコンピュータを採用する。そしてパラレルコンピューティングによって作業負荷を最適化するので、プロセッサの速度よりも数の方が重要なのだ。
たしかにGoogleがそれ相応の数のプロセッサを持っているのは間違いない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ