このようなことが書かれているのを時々目にするが、Steve Ballmer氏がプロプライエタリのイデオロギーに完全に染まってしまっているわけではないことを知って安心した。Ballmer氏は米国時間10月18日、Web 2.0 Summitで講演し、同氏のオープンソースとの確執は、ときに同氏がその言動によって周囲に示しているほど全面的なものではないと明言した。
「当社はオープンソース製品を中心にビジネスを構築している企業を何社か買収することになるだろう」と、Ballmer氏はサンフランシスコで開催されたWeb 2.0 Summitの舞台上でのインタビューで語った。
オープンソース開発業者の買収を検討しようとしないと「買収市場からいっぺんに排除されてしまう」とBallmer氏は言う。これはオープンソース開発によってソフトウェア市場がすっかり作りかえられてしまったことを暗に認めた発言である。
換言すると、世界がオープンソースに向かって動いているときに、Microsoftがオープンソース企業の買収を選択肢から除外すると、Microsoftにとって買収のターゲットが少なくなってしまう。特にプロプライエタリな企業はOracleがすべて買収してしまったのだから。
何と世界の変わってしまったことか。
Ballmer氏のこうした面がもう少し増えてくれるといいのだが。こうした面とは、Microsoftが過去30年の成功を今後も30年にわたって継続したいと思うなら、オープンソースの世界を遠ざけるのではなくて積極的にかかわる必要があると認識しているBallmer氏の理性的な面である。ソフトウェアの世界は変化しているのだからMicrosoftも置いていかれないように適応しなければならない。
Microsoftが買収する最初のオープンソース企業はオープンソース専業のベンダーではないだろうと思う。むしろ、必然的にオープンソースをビジネスの第3の、しかし重要な側面として活用している企業になるはずだ。
たとえばAtlassianのように。MicrosoftとAtlassianは18日、Atlassianの優秀なConfluence WikiとSharepointの統合を発表した。明日にはひょっとすると恒久的な合併を発表するのではないか。
Atlassianなら、オープンソース企業ではないがその社風はオープンソースプロジェクトの精神に似たものがあるのでつじつまは合うだろう。XimianがNovellにとってそうだったように、Atlassianの買収はMicrosoftにオープンソースのDNAをもたらすという意味でXimian的な買収になりうるかも知れない。