SUSE Linuxの相互運用性向上でユーザー企業に選択肢広げる--ノベル

田中好伸(編集部)

2007-11-05 19:47

端境期を迎えつつあるLinux/OSS

 Linuxを中心としたオープンソースソフトウェア(OSS)の中心といえば、もちろんコミュニティーであり、その活動は1990年代に始まり、現在でも続いている。しかし、その動きも2000年を境に変わってきているのではないかと、米Novellの日本法人であるノベルでLinux担当マネージャーを務める岡本剛和氏(営業本部テクノロジースペシャリストグループ)は指摘している。

 「かつてはOSSのコミュニティーの輪が広がるとともに、数もたくさんありました。1990年代後半にはLinuxディストリビューションの種類もいろいろでしたし、OSSをどのように使えばいいのかがまとめられたHow toに関するドキュメントもかなり蓄積されたと思います。しかし、2000年を境に、コミュニティーが専門化していくとともに、How toのドキュメントは少なくなってきているように感じます」

 1990年代後半には、どうすればLinuxを活用できるかなどがまとまったLinuxに関連した書籍も数多く出版されていたし、コミュニティーを中心としたイベントも多く開催されていた。だが、この数年で、関連書籍やイベントも次第に減少している、そう感じる読者もいるのではないだろうか。

 その背景には、「LinuxやそのほかのOSSが企業内のシステムでもちゃんと使えると認識されるにしたがい、LinuxやOSSがビジネスラインにのるようになってきたことが影響していると思います。その動きと連動するかのようにLinuxディストリビューションの数も少数に収束されていったように感じられる」(岡本氏)ということがあるようだ。

 Linux/OSSが国を問わず企業で(まだウェブやメールなどのエッジ系が中心だが)使われるようになってくると、IBMやOracle、Novellなどの大手IT企業も、Linux/OSSに対する態度を変えてくる。それまでLinux/OSSの開発はコミュニティーの中の個人に依存していたのだが、大手IT企業の変化により、そうしたLinux/OSSの有力な開発者たちは業務として開発を続けられるようになってきた。つまりは、個人のボランティアに支えられていたLinux/OSSの開発は今や「大手IT企業がスポンサーとなって続けられている」(同氏)のである。

岡本剛和氏 テクノロジースペシャリストグループでLinux担当マネージャーを務める岡本剛和氏

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]