「オープンな環境での“NAS on SAN”を実現できているのは、我々だけ」--ONStor CEO - (page 2)

宍戸周夫(テラメディア)

2007-11-19 18:28

仮想サーバで省エネ、省スペースを実現

--では、それらの問題に対し、ONStorの製品はどのようなソリューションを提供しているのでしょうか。

 我々の中核製品は、NASゲートウェイを始めとするファイルマネジメントシステムですが、単にストレージ製品を販売するだけでなく、お客様が既に導入されているストレージを効率的に使っていただくソリューションを提供しています。

 つまり、私どもはオープンストレージソリューションを提供している会社なのです。これは非常に難しいことで、このようなソリューションを持つ会社は、私が知る限り他には1社もありません。

 また、私どもの製品では、お客様の要件に合わせたスケールアップができます。1ユニットから導入し、パフォーマンスを上げるため、必要に応じてユニットを追加することも可能です。ですからお客様は、当初から絶対的に正しいと思われる解決策を持っている必要はありません。ひとまずは小規模システムからスタートし、自分たちの要求に合わせてそれをスケールアップしていけばよいわけです。

 製品のもうひとつの特徴はデータプロテクションです。私どもは非常にシンプルな管理を実現するソリューションを持っており、スナップショット、データミラーリング、リモートデータミラーリング、バックアップリカバリなどの機能をすでに製品の中に組み込んでいます。

--先ほど指摘されていた、環境問題への対応はどうでしょうか。

 我々の製品は、十分なエネルギー消費への対策を行っています。その一つが、物理的なサーバに代わる仮想サーバソリューションの「vServer」です。1台のNASゲートウェイでは、同時に最大32のvServerを動作できます。そしてどのvServerもクライアントやストレージを止めることなく1台のNASゲートウェイから別のNASゲートウェイに移動でき、パフォーマンスの拡張、ロードバランシング、システム保守などの作業を柔軟に行えます。

 これによって、これまで24台のサーバが最大20Tバイトの容量を提供していたWindowsの典型的な分散環境が、ONStorによって4つのファイラに統合され、容量は10Tバイトに削減することができたという事例があります。さらに、1週間当たりの管理時間、ラックスペース、電源なども大幅に削減されます。特にラックスペースは48Uが8Uに、また電源は2万5600ワットがわずか1680ワットにまで、削減できたという例もあります。我々の顧客の約半数は、こうしたサーバ統合を実現しています。

--競合のストレージベンダーと比べ、ONStorは、どのような点が優れていると思いますか。

 私はIT業界に長くおり、ハードウェアがコモディティ化しているということを身をもって感じています。知的財産はソフトウェアの分野に移行しています。この中でデータプロテクション、さらに異なったストレージに対するサポート、また仮想サーバなどについて、ONStorは他社に比べてかなりのレベルで優位であると考えています。

 競合他社の多くは、自らをシステムメーカーであると考えており、製品のコモディティ化や標準化に対しては後ろ向きの姿勢をとっていると言わざるをえません。私の個人的な哲学ですが、お客様が本当に必要としている製品を提供する企業こそが成功すると思っています。お客様は、何も各社固有のソリューションを求めているのではありません。

 ONStorは2000年に創業し、2004年に製品を出荷しましたが、これまで売上は倍々以上のペースで伸びています。初年度に50台のシステムを、次の年に250台、そして2007年度は650台のシステム出荷を見込んでいます。

 ストレージ業界は価格下落で、販売台数が増えても収益が上がらないといわれていますが、ONStorはストレージにファイルマネジメントアプライアンス(ソフトウェア)を提供しており、これが当社の知的財産として、収益の柱になっています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]