Siemensに買収された米国のPLMソフトウェア開発企業UGSは、シーメンスPLMソフトウェアと社名を変え、PLM市場での存在感を増している。同社はこの分野を「cPDm(コラボラティブ・プロダクト・ディフィニション・マネジメント)」と呼び、ビジネスをさらに加速させようとしている。同社Teamcenter部門担当のバイスプレジデント、Stephan M. Bashada氏に、基幹製品「Teamcenter」の戦略について話を聞いた。
--まず、Teamcenterについて教えてください。
Teamcenterは、製品のライフサイクル全体にわたって情報を管理、活用するPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)ソリューションです。PLMに関わるさまざまなアプリケーションを単一のプラットフォーム上で統合しています。
たとえば、Portfolio and Program Managementは、2〜3年以内に市場投入する製品を分析をするソリューションです。これによって経営者は、複数のタスクやスケジュールの参照、発生する問題の検出、リソース上の潜在的なボトルネックに対して迅速に行動することができます。
次に、Engineering Process Managementでは、エンジニアリングチームと製造チームの間で、設計データの同期や、ワークフロープロセスにおける設計モデルの共有を可能にし、コラボレーションの促進と製品ライフサイクル全体の効率化に付与します。さらに、Bill-of-Materials Managementは、製品定義をライフサイクル全体にわたって管理するソリューションです。製品のライフサイクルに関わるあらゆる人に、要求通りのBOM情報を提供します。これらは、Teamcenterが提供するソリューションの一部です。
--Teamcenterがサポートする業界は?
自動車業界をはじめ、航空宇宙、防衛、ハイテク、電子工学、消費財、リテール、アパレル、薬品、機械など、サポートしている業界は多岐にわたります。その中でも特に、自動車、航空宇宙、防衛、ハイテク、機械を重視しています。
--PLMが製造業に必要とされる背景は?
製造業は、製品開発における要件定義にはじまり、設計、製造、販売、保守、廃棄まで、さまざまなビジネス領域が、一連のプロセスとして統合されていることが不可欠です。また、あらゆる業界で製品のライフサイクルは短命化しています。現在、製造業は、製品ライフサイクルの短期化と、次々に市場へ投入される製品にすばやく対応するため、PLMへの対応を余儀なくされています。
Teamcenterは、複数の領域をまたがって、プロセスの統合を可能にするソリューションです。われわれは、「スピードtoマーケット」と「ライトtoマーケット」をキーワードに、顧客が製品を市場に投入するまでの時間を短縮し、かつ正確性を保証するソリューションを提供しなければいけないと認識しています。