「セキュリティの王道をきちんとやっていく」--マイクロソフト - (page 4)

小山安博 2007年11月30日 13時29分

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 マイクロソフトは、アプリケーション側の防御として、Office 2007のOpen XMLであれば同種の攻撃は防げるが、Office 2003に対しては「次善の策」としてファイルブロック機能を提供。「非常に古いフォーマットはあいまいでつけ込むスキが多い。色んなことができてしまう緩さがある」(同)ために今年5月に提供されたもので、旧形式など、特定のフォーマットが、Word、Excel、PowerPointで開かれるのを防ぐ機能だ(Office 2007向けにも提供されている)。

 また、Microsoft Office Isolated Conversion Environment(MOICE)も公開。MOICEでは、Office 2007のファイルへのコンバーターを利用し、Office 2003のファイルをOpen XMLに変換する。変換作業は不要で、Office 2003ファイルを開こうとすると自動的に変換が行われ、Open XMLとして開かれる。仮に不正なファイルが埋め込まれたファイルであれば、コンバーターがエラーを出して変換を中止するため、安全性が向上する。ファイルブロック機能との併用が推奨されている。Office 2003ユーザーは「必ず導入する」と小野寺氏は強く勧め、Office 2000/ XPユーザーに対しては「Office 2007にアップデートして欲しい」という。

MOICEの変換で出るエラー MOICEの変換で出るエラー

 こうした対策は、1つ1つで完璧なセキュリティを確保するのではなく、併用することでセキュリティ向上を目指すツールだ。小野寺氏自身は、こうしたツールに頼るだけでは問題があるとして、ユーザー教育の重要性を訴える。

小野寺氏 小野寺匠氏

 「外部から入ってくるものを信じすぎない。最初から不審なものと思って行動した方がいい」と小野寺氏。いきなりファイルを開くのではなく、まず疑ってかかることが必要だという。また、アプリケーションが異常終了したときには「マイクロソフト製品だから(異常終了した)と思わずに問題意識を持って欲しい。(マイクロソフト製品は)だいぶクオリティが良くなっているので、落ちたときは不正なものと考えていい」(同)

 また、ユーザーはセキュリティパッチを常に最新のものを適用すべきだという。マイクロソフト製品に限らず、他社のアプリケーションでも脆弱性が頻繁に発見されているので、そういったものにも注目しておく必要がある。企業の管理者であれば、自分だけでなく組織全体を見て対処するようアドバイス。たとえば、標的型攻撃は気づかないことが多いので、そういった攻撃の存在を周知させたり、管理者権限を使わせない、といった対処を勧める。

 小野寺氏は、安全のためには「信頼できないメールはすべて受け取らない」という社会全体の風潮が必要だとして、S/MIMEやSenderIDなどの導入で対策する時代が来ていると指摘する。

 とはいえ、参加者からも指摘があったように、ユーザー教育ばかりを強調しても対策にはならない。小野寺氏も、技術的な解決策も必要で、マイクロソフトではOffice 2007のように製品品質の向上を図っているという。既存ユーザーにもMOICEを提供するなど対策を進めており、たとえばMOICEで変換したときにエラーが起きた場合に、ユーザーはパニックを起こさずに問題があるファイルだと認識できる、といったような教育が必要だという。

 「ユーザーが知らなければならないのは、ドキュメントから攻撃されるという事実」(同)。アプリケーションでエラーメッセージが表示されたら、攻撃が行われている可能性をユーザー教育で教えていくべきだという。小野寺氏は、企業などでは特に、そうした場合の取るべき対応を周知させておくことはできるのでないかとするとともに、コンシューマユーザーに対してはよりフレンドリーなツールやUIを提供したり、メッセージを工夫したりしていきたいと話す。

 小野寺氏の考え方は、S/MIMEもSenderIDも、ユーザー教育も、危険を低減させる手段であり、個別の対策で問題が解決できないからといってやらないのではなく、リスクを減らす手だてを積み重ねてセキュリティを向上させるという考え方だ。「セキュリティの王道をきちんとやっていく」(同)ことが重要なのだ。

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