ZDNet Japanが2月7日に六本木アカデミーヒルズ(東京都港区)で開催した「ZDNet Japanソリューションフォーラム2008--迅速な意思決定でビジネスチャンスを逃がさないリアルタイムBI」の基調講演にアビームコンサルティングのBI Initiative統括責任者である中世古操氏が登場。「BIを活用した戦略的経営管理〜効果的な意思決定の実現に向けて」をテーマに講演した。
中世古氏はまず。吉田茂氏の著書「日本を決定した百年―附・思出す侭(中公文庫)」から次のくだりを紹介した。
「百五十万トンの米の輸入が必要であるという農林省の計算は少々過大であって実際には七十万トンの輸入で済んだ。このことから、マッカーサー元帥が日本の数字の杜撰なことを責めるので、……」
「しかし、あとから考えてみると、この農林省の役人の過大な見積もりには、なんとかして食糧危機を切り抜けたいという気持ちが働いていたように思われる。もっとも、そこには、故意または無意識のうちに、自分につごうのよい数字だけを発表するという、戦争中からの名残りもあったけれども……」
同氏は、「この文から見積もりがいかに重要かが分かる。見積もりは、正しい基準がないと作成者の気分に左右されてしまうためだ。意思決定を支援するビジネスインテリジェンス(BI)も同様で、正しい基準が必要になる」と話す。
見積もりに限らず、ビジネスモデルの変革やグローバル化、株主価値経営、内部統制など、変化に柔軟かつ迅速に対応できる経営管理システムが必要になる。中世古氏は、「経営を支援するためのツールとしてBIを活用すること。BIは経営管理システムに置き換えることができる」と話している。